研究課題/領域番号 |
17360314
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
堀 史説 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (20275291)
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研究分担者 |
小嶋 崇夫 大阪府立大学, 産学官連携機構, 助教 (70360047)
岩瀬 彰宏 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (60343919)
秋田 知樹 産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 研究員 (80356344)
田中 真悟 産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 研究員 (50357448)
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キーワード | 金属物性 / ナノ材料 / 表面・界面構造 / 触媒・化学プロセス / 陽電子消滅 / 第一原理計算 |
研究概要 |
平成19年度は前年度に引き続きAuPd微粒子の構造制御及び評価、計算による構造・電子状態の検討を行い以下のような結果を得た。 電子頭微鏡観察からシェルPdの厚みを制御して作成したナノ微粒子の構造について、Au上のPdがエピタキシャル的な積層によりAuの格子定数を維持して生成しており、厚みが10層程度になると表面ではほぼPdの本来の格子間隔に戻る。一部には界面に積層欠陥を持つ粒子も存在する。陽電子消滅測定から、Pd層10層未満では表面近傍の電子状態が純Pdとは異なり全電子密度がAuとPdの中間的な値を有し、格子が拡張しているという電子顕微鏡の結果とも一致した。第一原理計算からは、実験結果から予想される界面積層のモデルを立て界面と表面構造に着目したスラブによる計算からAu上のPdは数層程度ではエピタキシャル的積層が(100)、(111)いずれの面上でも安定であり、この場合の電子の状態密度から表面近傍では特にd電子に若干の遷移が見られ表面電子密度が枯渇し、分子吸着が起こりやすくなっていることがわかった。 以上の結果から、水素に対する活性との相関を検討して、Au表面を覆うPd層は1、2層程度では格子の膨張が大きいが活性はそれほど高くなく、10数層にまで達すると格子の膨張はおさまるため純Pdと同様の性質になり活性も無くなる。この間の数層での格子膨張とdバンドの変化が触媒活性に影響しているという結果を得た。
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