研究課題/領域番号 |
17360322
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
鶴見 敬章 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70188647)
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研究分担者 |
和田 智志 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60240545)
掛本 博文 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (10334509)
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キーワード | ペロブスカイト化合物 / 人工超格子 / 誘電性 / 分子線エピタキシー / スパッタ法 / 強誘電性 |
研究概要 |
本研究は、ペロブスカイト型人工超格子構造において、結晶格子内に導入される格子歪みにより誘電性を制御し、これを用いたデバイス化を行うことを目的としている。平成17年度は、チタン酸バリウム/チタン酸ストロンチウム系人工超格子について、1)誘電性の温度特性の測定、2)汎用スパッタ装置による人工超格子類似構造の作製と誘電特性の測定を行った。まず、誘電性の温度特性の測定に関しては、従来までの研究で、ペロブスカイト構造の単位格子を10層ずつ組み合わせた人工超格子が、極めて高い誘電率を示すことを明らかにしていたが、その高い誘電率が温度に対しどのように変化するかは、デバイス化を図る上で非常に重要であるにも関わらず不明であった。本研究では、人工超格子のような超薄膜の誘電率の温度特性をマイクロ波領域で測定する技術を確立し、分子線エピタキシー法で作製した試料について測定を行った。その結果、誘電率の温度特性は温度に対し平坦な変化を示すことが明らかとなった、この結果は、バルク試料とは明らかに異なるもので、人工超格子の高い誘電性を利用しデバイスを形成する上で重要な知見が得られた。次に、汎用スパッタ法による人工超格子類似構造の作製に関してであるが、分子線エピタキシー法は理想的な人工超格子構造を形成することが可能であるが、成膜速度は極端に遅く実用プロセスには適さない。そこで、実用プロセスとして確立しているスパッタ法により人工超格子類似構造を作製し、理想的な人工超格子と同様の誘電率の増強が認められるか検討した。その結果、スパッタ法で作製した試料はX線回折で超格子構造は認められず構造の乱れが存在するものの、その誘電率はチタン酸バリウムとチタン酸ストロンチウムがランダムに混ざった固溶体よりも顕著に高い値を示すことが明らかとなった。
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