本研究では、点欠陥のナノ秩序に関する普遍な対称性原理を強誘電体物質に適応することを証明すると共に、この新しい原理に基づいて、巨大圧電効果及び付随する新現象と点欠陥の種類、濃度などの関係を詳しく研究することを目的とする。具体的に、以下の成果を得た。 1.強誘電体における時効による安定化効果は世界初めて観察された。BaTi03とPLTにおいて、時効による逆変態温度の上昇を見出し、その効果は点欠陥のナノ秩序の対称性原理でよく説明できる。(APL 2005) 2.single domain強誘電体における時効を世界初めて発見した。(PRB 2006)。この発見により、点欠陥対称性原理は時効現象を支配する基本的な原理として樹立された。 3.acceptorとdonorの複合添加で時効による電歪効果の向上を果たした(APL 2006) 4.高いTc温度を持つKNbO3系において大きな電歪効果を世界初めて発見。(APL 2007) 5.点欠陥ナノ秩序の対称性原理の普遍性を証明した。(PRB 2008) 6.巨大電歪効果を制御するための基本方法を提唱した。これは実用にとっては重要である。(APL 2007) 7.点欠陥の添加で非鉛圧電材料における世界最高の圧電特性を持つ材料を開発した。(特許出願済 2008)
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