研究課題
基盤研究(B)
本研究の目的は、新Niフリー生体用形状記憶合金、特にTiNbAl合金に99%もの強冷間圧延や超急冷という高密度・高エネルギーの格子欠陥を導入する強加工熱処理を行い、微視組織、欠陥および機械的性質の関係を明らかにすることである。第一に、マルテンサイト変態温度が低くβ相が安定なTi-26Nb-3Alを用い、集合組織と超弾性について調べた。その結果、真歪みが3以上で加工集合組織が発達すること、溶体化処理後の結晶粒径は500mm程度と粗大であるが、冷間加工により圧延方向に針状に伸びることがわかった。および、再結晶集合組織も冷間圧延率と強く依存し、冷間圧延率が90&以下の時には{001}_β<110>_β型再結晶集合組織であるが、それ以上で{112}_β<110>_β型に変化していた。この{001}_β<110>_β集合組織は{112}_β<110>_β集合組織より等方的であり、実用的により有効な集合組織である。さらに,安定な相がα"単相およびα"+β二相であるTiNbAl合金についても同様の研究を行った。その結果、α"+β合金では、{112}_β<110>_β型の加工集合組織と{111}_β<110>_β型の再結晶集合組織が、α"合金の場合は{223}_α"<302>_α"型加工集合組織と{011}_α"<311>_α"型再結晶集合組織が発達することがわかった。これらをまとめると、TiNbAl合金の集合組織とそれによる超弾性異方性は、合金の安定相の種類に依存するといえる。類似の結果が冷間線材加工についても得られた。また、Ti-24Nb-3Al合金について液体超急冷法を用いたが明瞭な集合組織や結晶粒微細化効果は認められなかった。以上を総括し、適切な強加工熱処理を選択することでチタン合金の組織と集合組織と超弾性特性を制御できることを明らかにした。
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