研究課題/領域番号 |
17360339
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
土井 稔 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (60135308)
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研究分担者 |
小坂井 孝生 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (80110253)
森谷 智一 名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (50362322)
榎本 美久 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (70194008)
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キーワード | 構造材料 / 耐熱合金 / 材料組織 / 相変態 / 析出 / 弾性効果 |
研究概要 |
弾性的に拘束された2相組織(不規則相マトリックス+規則相析出粒子)を時効すると、析出相粒子がさらに相分離を起こすことがある。この相分離挙動を透過型電子顕微鏡により調べ、次のような結果を得た。 1.弾性拘束が強いFe-Si-V合金のA2+DO_3組織では、立方体状DO_3析出粒子が相分離を起こしてA2粒子が現れる。このA2粒子の成長には方向性があるため板ないし棒状となり、DO_3析出粒子の分裂が生じる。 2.弾性拘束が弱いFe-Al-Ni合金のA2+B2組織では、球状B2析出粒子が相分離を起こして球状A2粒子が現れる。このA2粒子は球状のまま成長するが、最終的にはB2粒子から排出される。 3.弾性拘束が強いNi-Al-Ti合金のγ+γ'組織では、立方体状γ'析出粒子が相分離を起こしてγ粒子が現れる。このγ粒子は{001}に沿って成長し板となる結果、γ'析出粒子の分裂が生じる。 4.弾性拘束が弱いNi-Al-Si合金のγ+γ'組織では、球状γ'析出粒子が相分離を起こして球状γ粒子が現れる。このγ粒子はほぼ球状のままで若干成長するが、最終的にはγ'粒子から排出される。 5.弾性拘束が中程度(上記3と4の中間)のNi-Si-Fe合金のγ+γ'組織では、立方体状γ'析出粒子が相分離を起こしてγ粒子が現れる。このγ粒子はアスペクト比をほぼ1に保ちながら成長するが、γ'粒子あたりのγ粒子数は最終的には1ないし2個程度に減少する。 6.上記いずれの合金においても、時効前から存在していたB2、DO_3あるいはγ'析出粒子の粗大化速度は、オストワルド成長理論が示唆する速度よりもはるかに遅い。
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