研究課題/領域番号 |
17360341
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 紘二郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70026277)
|
研究分担者 |
廣瀬 明夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70144433)
佐野 智一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30314371)
|
キーワード | フェムト秒レーザー / 衝撃波 / 超急冷 / 金属ガラス / 非平衡物質 |
研究概要 |
パルス幅がフェムト秒オーダーのフェムト秒レーザーを金属に照射すると、アブレーション時の反跳力によって衝撃波が駆動され、金属内部を伝播する。この時発生した衝撃波の強度は200-300GPaに達する。また、レーザー加熱の影響によって生じた溶融層は急激に冷却し、その冷却速度は10^<13>K/sと極めて大きい。本研究では、フェムト秒レーザー照射時の衝撃波と超急冷を利用して、種々の金属、主に単体金属のガラスを合成することを目的とする。 本年度は、ガラス形成能の高いCuTi結晶合金と多結晶Tiに対してフェムト秒レーザーを照射し、照射部分の結晶構造を解析した。CuTi合金に対して、斜入射X線回折法で表層の結晶構造を調べた。その結果、表層にはアモルファス構造と、母相とは異なる結晶構造が存在することがわかった。多結晶Tiに対して、放射光X線回折法、透過電子線回折法、電子線後方散乱回折法によってフェムト秒レーザー照射部分の結晶構造を解析した。その結果、高圧相であるω-Ti、高温高圧相であるβ-Tiが存在することが確認された。また、distorted-bcc構造も存在することが確認された。これは、現在存在が論議されているη-Tiの可能性がある。衝撃圧縮過程および解放過程における圧力の関数としての温度分布を見積もった。計算結果から、フェムト秒レーザーによる衝撃圧縮によりω-Ti、 β-Tiまた、η-Tiが誘起されることが示された。
|