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2006 年度 実績報告書

動的荷重下での有害イオン溶出を抑制する金属系バイオマテリアルの表面改質

研究課題

研究課題/領域番号 17360342
研究機関大阪大学

研究代表者

藤本 愼司  大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (70199371)

研究分担者 春名 匠  関西大学, 工学部, 助教授 (70243186)
キーワードバイオマテリアル / チタン合金 / 生体適合性 / 不働態皮膜 / 再不働態化 / 模擬生体環境 / 細胞接着性
研究概要

本年度は細胞接着性に及ぼす電気化学的ポテンシャルの効果を検討した。基盤として白金および1mol/l H_2SO_4中で20V,30min.の分極によりアノード皮膜を生成した純Tiを半導体電極として用いた。L929マウス繊維芽細胞を6000個/cm^2の密度で播種し、直ちに所定の電位に分極し、24時間後に基盤に生存付着している細胞数を計数し、播種数に対する比率をもって接着率とした。これより、-0.6V_<Ag/AgCl>〜+0.2V_<Ag/AgCl>の範囲では接着率は一定であるのに対し、0.2V_<Ag/AgCl>以上では接着率は電位の貴化にともなって増加していることがわかる。一方、TiO_2上については細胞接着率はPtとくらべ低く、さらに電位依存性は認められなかった。Ptについて、培地のみで0および1Vにて24時間定電位分極した後の表面をXPSにて分析した。ここでは、C,O,N,Sを解析対象とした。0Vでは、C,Oのみ検出され、Cには化学シフトが認められず、ほぼ炭化水素のみが検出された。一方、1V分極の後では、Cはシフトなしとともに、酸素との一重および二重結合に相当するスペクトルが得られた。ただし、カルボキシル基は特に検出されなかった。さらに、Nが検出され、少量のアミノ基と蛋白質中のNの結合が認められ、それぞれアミノ酸ないしは蛋白質の末端と蛋白質の主鎖に相当すると考えられる。従って、1V_<Ag/AgCl>では蛋白質の吸着が生じ、その結果細胞接着因子となるタンパクが吸着して細胞接着が生じたと思われる。一方、TiO_2では蛋白質の吸着はPtと比べ少なく、細胞接着率と対応していることが分かった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Semiconductor properties and protective role of passive films of iron base alloys2007

    • 著者名/発表者名
      Shinji Fujimoto, Hiroaki Tsuchiya
    • 雑誌名

      Corrosion Science 49[1]

      ページ: 195-202

  • [雑誌論文] Electrochemical Study on Type304 and 316L Stainless Steels in Simulated Body Fluids and Cell Cultures2006

    • 著者名/発表者名
      Yee Chin Tang, Shoji Katsuma, Shinji Fujimoto, Sachiko Hiromoto
    • 雑誌名

      Acta Biomaterialia 2[6]

      ページ: 709-715

  • [雑誌論文] Electrochemical Characterization of Ti and Ti Base Alloys under Simulated Body Fluid Environment2006

    • 著者名/発表者名
      S.Fujimoto, H.Kusu, S.Katsuma, M.Sakamoto, Y.-C.Tang
    • 雑誌名

      Materials Science Forum 512

      ページ: 249-254

  • [雑誌論文] Improvement of Cell Adhesion on Poly (L-lactide) by Atmospheric Plasma Treatment2006

    • 著者名/発表者名
      Masafumi Nakagawa, Fumio Teraoka, Shinji Fujimoto, Junzo Takahashi
    • 雑誌名

      Journal of Biomedical Materials Research 77A[1]

      ページ: 112-118

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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