研究課題/領域番号 |
17360346
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
大久保 忠勝 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料センター, グループリーダー (00242462)
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研究分担者 |
宝野 和博 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料センター, フェロー (60229151)
高橋 有紀子 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料センター, 研究員 (50421392)
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キーワード | スピンエレクトロニクス / 磁気記録 / 電子・電気材料 / 解析・評価 |
研究概要 |
超高密度磁気記録技術を実現するために下記1.-3.の磁性薄膜について薄膜の試作、磁気特性評価とナノ構造解析、結果の考察と薄膜試作過程へのフィードバックを行い、昨年度得られた知見をもとに高密度磁気記録を実現するためのキーマテリアルの創製法を確立することを目的とする。昨年度の検討をもとに、デバイスへの応用が期待される以下の3つ磁性薄膜についての検討を行った。 (1)FePt垂直磁気異方性磁性薄膜 垂直磁気記録媒体への応用を目指して、磁気的に孤立し密に分散したFePtナノグラニュラー薄膜の作製を行った。FePtと非磁性マトリックスのSiO_2を同時スパッタし、基板温度、強磁性の体積分率及びガス庄を制御することにより、実用可能なレベルのFePt粒子径及び粒子分散を得ることに成功した。しかし、粒子サイズの減少とともにFeptの規則度が大幅に低下してしまい、この規則度をあげることが今後の課題である。 (2)CCP-GMR膜構造の解析 CCP-GMR膜の絶縁相中に存在するメタルパスの密度についての知見を得るためにアトムプローブ解析を試みた。アトムプローブ解析には針状の試料が必要であるため、マイクロサンプリングを用いたFIBによる試料作製を試みた。アトムプローブ解析可能な程度の試料作製には成功したものの、分析途中に試料破壊が起こってしまい、アトムプローブ解析には成功していない。 (3)高分極率ハーフメタル薄膜を試作 キュリー点の高いCo基ホイスラー合金に着目し、それに第4元素を添加することによりスピン分極率の高い材料探索を行った。その結果、Co_2FeSiにわずか2%のCrを添加することにより、スピン分極率が0.57から0.64へ急激に増加することを見出した。XRD、メスバウワー分光法及び第一原理計算による解析により、Cr添加によるスピン分極率の増加は状態密度曲線のギャップ中に存在するフェルミ面の位置を制御することによることが明らかとなった。
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