各種炭素鋼を用いて室温においてECAE加工(くり返しせん断変形加工)を行い、超塑性ひずみ(Severe Plastic Strain)を試料内に与え、結晶粒を超微細化することにより引張強さを高くした材料およびその高強度化した材料に低温度・短時間の熱処理を行うことにより延性を向上させた材料を創製することにより超マイクロボルト用の素材を作製することを試みた。 平成17年度は材料として現在マイクロボルト用の素材であるSWCHとほぼ同じ炭素含有量のS15Cの低炭素鋼を用いた。両方の材料とも、室温においてルートCでそれぞれの材料を4回までECAE加工を施すことにより引張強さを高くし、マイクロボルトの製造を行った。つづいて、4回までECAE加工した材料を600℃で短時間の熱処理を行い延性を向上させた材料を用いてマイクロボルトの製造を行った。 平成18年度は材料として炭素鋼の炭素含有量を変化させたS25C、S35CおよびS45Cの3種類の炭素鋼を用いた。それぞれの材料とも、室温においてルートCでそれぞれの材料を4回までECAE加工を施すことにより引張強さを高くし、マイクロボルトの製造を行った。つづいて、4回までECAE加工した材料を600℃で短時間の熱処理を行い延性を向上させた材料を用いてマイクロボルトの製造を行った。マイクロボルトを製造するための中島田鉄工所製造のマイクロヘッダーを用いて、マイクロボルトの製造を行った。 マイクロボルトの製造に際して、用意した各種材料が加工の可否およびそれらのTEM組織により、それぞれの材料の特性の最適化を行った。これらの知見から直径1mm以下の超マイクロボルト創製用の素材の最適化を行った。
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