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2005 年度 実績報告書

ロックオン型レーザ局所加熱法による材料組織情報の書き込み・読み出し技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17360353
研究機関大阪大学

研究代表者

柴柳 敏哉  大阪大学, 接合科学研究所, 助教授 (10187411)

研究分担者 塚本 雅裕  大阪大学, 接合科学研究所, 助手 (90273713)
キーワードファイバーレーザ / 局所加熱 / アルミニウム / EBSP / FSW / モンテカルロシミュレーション / 粒成長 / 局所組織情報
研究概要

ファイバーレーザーを用いて数十ミクロンの局所領域に熱エネルギーを集中させて局所加熱を施すシステムの構築を行った。IPG製の最大出力100Wのファイバーレーザーを導入し、自作の光学系に組み込んで、冷間加工した純アルミニウム板への照射実験を行った。試料表面位置におけるレーザ光は20μm程度まで絞り込むことができることを実験により確認し、実際に照射した試料表面の形状変化からもこの程度の集光範囲であることの傍証も得ている。
レーザパワーが30Wの場合、20秒間の照射により表面近傍に溶融部と溶融金属の吹き出しにより形成されたと思われるクレーターが現れた。この試料に機械研磨を施し、クレーター底部がわずかに残る位置で組織観察を行ったところ、照射位置を中心にして同心円状に粗大な結晶粒が存在することをEBSP法で確認した。資料は冷間加工材であるので、周囲の組織状態は加工組織のままであるが、レーザ照射影響領域だけが粗大結晶粒組織となっていた。この実験結果より、本年度構築した局所加熱システムは設計されたとおりの機能を示しており、局所熱処理が従来の均一加熱法とは全く異なる組織を創り出すことに大きく寄与できることを意味する。
レーザ加熱実験と並行して特異な組織状態を創り出すことを目的とした摩擦攪拌処理実験を行った。供試材は5083アルミニウム合金板である。摩擦攪拌処理部は10μm以下の微細結晶粒組織で構成されており、その平均結晶粒径は入熱量の増大とともに増加することを実証した。種々の攪拌処理条件にて得た試料の組織を高温安定性という観点から評価したところ、773K以上の温度域では摩擦攪拌部において異常粒成長が発現することを見出した。すなわち、本加工法は結晶粒微細化効果に加えて、高温環境における組織粗大化発現のための組織情報を材料に書き込む効果も持ち合わせていることがわかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Microstructure and mechanical properties of friction stir welded AA2024-T3 aluminum alloys2005

    • 著者名/発表者名
      S.A.Kohdir
    • 雑誌名

      Materials Transactions 47・1

      ページ: 185-193

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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