研究概要 |
油圧サーボシステムの能力として最大荷重を70KNのプローブーショルダ同軸回転制御摩擦攪拌接合装置(複動式FSW装置)を開発し、これを用いて板厚5mmの純Al1050,実用Al合金6061の接合を行った。ショルダ部(外部)の回転速度を500または1500rpm一定とし,プローブの回転を0〜1750rpmの範囲で変化させることにより,得られた継手特性に及ぼすプローブの回転速度の影響を明確にした。また、ショルダを固定して、プローブのみを1500rpmで接合する手法、すなわち、ショルダレスFSW手法を確立した。 プローブのみを1500rpmで接合した場合の方が、ショルダ、プローブともに1500rpmで回転させた場合と比較して、良好な継手が得られた。TEM,EBSPを用いて結晶粒の方位,粒径,形状等を詳細に解析し,攪拌部における塑性流動や粒成長等を検討することによりプローブのみを回転させた場合には、攪拌部を小さくすることができるとともに、硬度低下を抑制できることが明らかにとなった。一方、ショルダのみを1500rpmの回転速度で接合した場合には、欠陥が発生して良好な継手が得られなかった。 また.複動式に限らないが,高温に対応できるツールを種々開発し、鉄鋼材料、Ni基超合金、Ti合金、純Moなどの高融点金属のFSWに成功した。特に、純Moはその融点が2620℃であり、これは現在の世界最高記録となっている。他の機関では、1660℃のTiが最高である。
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