研究課題/領域番号 |
17360370
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
平藤 哲司 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (70208833)
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研究分担者 |
粟倉 泰弘 京都大学, 工学研究科, 教授 (70109015)
邑瀬 邦明 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30283633)
乾 晴行 京都大学, 工学研究科, 教授 (30213135)
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キーワード | CdTe / 太陽電他材科 / 電析 / 微細組織 / 構造評価 / 電気的特性 |
研究概要 |
CdTe化合物半導体は高効率薄膜太陽電池の材料である。アンモニア塩基性水溶液から電析法により製膜したCdTe薄膜は結晶粒径10nm程度の微細な結晶粒から成っている。結晶粒界などの薄膜中の構造欠陥は太陽電池の変換効率の低下の要因となる。そこで本研究では、アンモニア塩基性水溶液から電析法により製膜したCdTe化合物半導体の結晶粒の粗大化とそれによる電気的特性の向上を目的として、CdTe熱処理条件と結晶粒径および電気化学的特性との関連を調査した。本年度の主な成果を以下にまとめる。 CdTe/CdS pn接合太陽電池の作製を試み、その特性を調べた。さらに、CdTe熱処理条件と結晶粒径およびI-V特性との関連について考察した。CdTe/CdS多層膜を大気雰囲気下、温度400℃て5分間、15分間、30分間の熱処理を行ったところ、5分間の熱処理てCdTe平均結晶粒径は最大となりその大きさは28nmであった。また、塩化カドミウムの飽和メタノール溶液に多層膜を侵した(塩化カドミウム処理)後、同様の熱処理を行ったところ、CdTe平均結晶粒径は熱処理時間の増加とともに増大し、30分間熱処理を行ったもので33nmであった。そこで、塩化カドミウム処理後に熱処理を30分間行ったものについて太陽電他としての特性評価を進めた。CdTe(2μm)/CdS(100nm)のpn接合太陽電池において、開回路起電力0.27V、短絡電流17.1mAcm^<-2>、最大変換効率は1.8%を得、太陽電池として動作することか明らかになった。CdSの膜厚が小さい方が取り出せる電流密度が大きかった。これは、高抵抗なCdS膜による内部抵抗が原因と考えられる。
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