研究課題/領域番号 |
17360370
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属生産工学
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研究機関 | 東北大学 (2006) 京都大学 (2005) |
研究代表者 |
平藤 哲司 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (70208833)
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研究分担者 |
粟倉 泰弘 京都大学, 工学研究科, 教授 (70109015)
邑瀬 邦明 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30283633)
乾 晴行 京都大学, 工学研究科, 教授 (30213135)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | CdTe / 太陽電池材料 / 電析 / 微細組織 / 構造評価 / 電気的特性 |
研究概要 |
CdTe化合物半導体は高効率薄膜太陽電池の材料である。我々は、従来の硫酸浴に代わり、アンモニア塩基性水溶液を用いた電析により、p型CdTe薄膜が得られることを示した。しかしながら、その電気抵抗は、酸性浴から得られるn型CdTeに比べ大きく、また、結晶粒径は、およそ10nmと小さかった。そこで、結晶粒径の増大による電気的特性の向上を目指し、高温でのCdTe電析を試みた。アンモニア塩基性水溶液では、348Kで共沸が生じ、通常の電析は困難であるため、オートクレープを用いて、ガルバニック接触電析によりCdTe薄膜を析出する方法を開発した。CdTe薄膜は363Kから423Kの温度範囲で得られた。析出温度の上昇とともにCdTe薄膜のCd含有量がわずかに増大し、平均結晶粒径も増大した。温度393Kにおいて平均粒径19nmの化学量論組成に近いCdTeが得られた。カソード表面への白色光の照射は、析出電流の増大と電流効率の増大をもたらした。電気抵抗の低下を期待し、アンモニア塩基性浴に塩化物イオンを添加し、電解浴に存在する塩化物イオンの影響について調べた。塩化物イオン濃度の増加とともに、電析物のCd含有量が増大し、伝導特性はn型となった。このことは、電解浴中の塩化物イオンが電析CdTeに組み込まれドナー順位を形成することを示唆している。CdTeの結晶粒径に及ぼす熱処理の影響について調べた。温度673Kにおいて30分の熱処理を行うことで、平均結晶粒径33nmのCdTe薄膜が得られた。p-CdTe/n-CdS太陽電池の作製を試み、その特性を調べた。最大変換効率は1.8%を得、太陽電池として動作することが明らかになった。
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