研究概要 |
1,形状制御した多面体ナノ粒子の選択的合成法の確立 ハロゲン化ナトリウムとポリアクリル酸ナトリウムを溶解させた水溶液中で、K2PtCl4の水素還元によって立方体Ptナノ粒子の最適合成条件を検討した。その結果、ハロゲン化ナトリウムとしてヨウ化ナトリウムを用いた場合のみ立方体Ptナノ粒子が生成し、Pt濃度1.0mM、NaI/Pt比10で立方体選択率が高く、さらに、反応温度を20〜60℃に変化させると80%以上の高い立方体選択率を保持したまま平均粒子径が10.5〜7.5nmに変化させうることを見出した。 2,カーボンナノチューブ(CNT)の合成と評価方法の確立 (1)Auナノ粒子担持触媒 石英反応菅中に設置した触媒上に窒素ガスで希釈したアセチレンを流し、CNT生成反応をおこなった。触媒担体の種類について検討した結果、シリカ-アルミナを用いた場合に最も効率良くCNT生成が生成した。反応温度550℃以上でCNTの生成が認められ、650℃が最適で、それ以上の温度ではグラフェンシートの結晶性が低下する傾向が認められ、高温では窒素が反応した可能姓が示唆される。Auナノ粒子の粒子径に対応してCNTの外径が変化した。原料としてエチレンを用いるとアセチレンよりもグラフェンシート結晶性が悪く、太さの制御も困難となった。 (2)Pdナノ粒子担持触媒 Auに準じた反応条件を用い、Pdナノ粒子アルミナ担持触媒を用いてCNT生成反応をおこなった。700℃以下ではカーボンナノフィラメント(CNF)が主生成物であったが、800℃ではCNTが主に生成した。Pd担持量を0.5wt%とした場合に、2.5wt%よりも結晶性が良く、太さが均一のCNTが生成した。Pd担持量が低い方が均一に分散していることを反映したものと考えられる。
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