研究概要 |
一分子レベルでの解析が可能な実験材料を拡張遺伝子工学の手法を用いて創出し,タンパク質フォールディング現象を,帰納的、動的に表現する。さらには,研究成果を生命現象や具体的な疾病原因の究明と解決に結びつける事を目的とし,以下の項目を設定して研究を行っている。 【1】拡張遺伝子工学を利用したタンパク質に関する研究では,BPTI(ウシ膵臓トリプシンインヒビター)の二重蛍光標識と蛍光エネルギー移動(FRET)観察に関連して,拡張遺伝子工学の手法による2重標識は可能であるが,依然,翻訳効率が極めて低く,一分子レベルでの動的な構造解析には至っていない。今後も引き続いて検討を行う。 【2】生体模倣系(リボソーム等)を用いた、複雑系におけるタンパク質相互作用の解析に関しては,ラフト領域特異的なエンドサイトーシス現象を再現できることを示し,論文、学会などで発表を行った。内層脂質膜と外層脂質膜の組成が異なる非対称性脂質2分子膜を備え、当該非対称性脂質2分子膜の膜面内に特定の脂質が偏在したミクロドメイン構造が形成されていること.を特徴とする非対称リボソーム作製技術を確立し,特許を出願した。現在,アミロイド症原因タンパク質と、膜との相互作用に関する詳細な実験を行っている。 【3】透析アミロイドーシス(ミクログロブリンアミロイド手根管症候群)原因究明と解決に関しては,昨年度出願した関連特許を元に試作品を作製し,臨床試験:を行う準備ができている。
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