研究課題/領域番号 |
17360411
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
橘 武史 九州工業大学, 工学部, 教授 (50179719)
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研究分担者 |
堀澤 秀之 東海大学, 工学部, 助教授 (30256169)
中野 正勝 東京都立航空工業高等専門学校, 航空工学科, 講師 (90315169)
各務 聡 独立行政法人産業総合研究所, 九州センター, 研究員 (80415653)
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キーワード | 推進機 / 推進薬 / レーザ |
研究概要 |
これまで大型化という方向で進められてきた衛星開発は、近年の衛星用途の多角化、電子機器の軽量化などから小型・多数化にも向かうようになり、それに伴い衛星用推進機も小型化・高機能化が求められるようになっている。衛星用の推進機としては制御性の観点から電気推進方式が優れ、実用に至っているが、推力電力比には限度があり、機動性が要求されるミッションなどには不十分となってくる。そこで本研究では、その不足分を化学エネルギで補うことを考え、従来ON/OFFを含む制御性が必要となる推進機には適用困難であるとされてきた固体推進薬を自燃させない方法で利用することにより、推力電力比を向上させ用途範囲の拡大を計るものである。 具体的には、本年度は、小型・軽量・高効率を誇るレーザダイオード(LD)に着目し、その使用を前提として、これを独自に設計・製作した非自燃性固体推進薬に照射して真空環境下で想定したような制御動作が可能であるかの実験を行うことを目指して、そのための実験装置の準備に多くの時間が割かれた。 提案する推進機を実現するべく,本装置を用いて、各種固体推進薬を用いた場合のレーザ照射時の燃焼特性を比較することにより、最適化された固体推進薬を見出す並とに向けて研究を開始した。まずは固体推進薬の諸パラメータを変化させて推進薬の燃焼特性を測定した。推進薬としては、これまで使用経験のあるHTPB/AP系コンポジット推進薬であれば組成や配合比により燃焼状態を変化させることが可能ではないかと考え、各種推進薬を準備し、まずはYAGレーザにより窒素雰囲気とした周囲圧力を変化させながら、制御可能な条件を見出した。その際、レーザ吸収の度合いが着火性能に大きく係わることに起因してから、0.5%Wt程度の少量の炭素粉を添加することで着火性が著しく向上することも判明した。
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