研究概要 |
海上プラントや生産設備のような大規模構造物は長寿命であり,長期間メンテナンスを行いながら利用される。その際、3次元の形状モデルがあれば、現場に出向かなくても,シミュレーションによって,正確なメンテナンス検討を行うことができる。しかし、現状では、(1)メンテナンスを必要とする古い大規模構造物では3次元データが存在しない、(2)長年の改変によって図面と現物が一致していないといった問題があり、モデルベースメンテナンス技術を十分活用できる環境にない.本研究では、近年急速に進歩した大規模建造物向けのレーザスキャナ装置を用いて、モデル作成を行う手法を開発するこどを目的とする。この研究で解決すべき最大の技術問題は,大量の異常値が含まれる膨大な計測データを処理し,高精度な3Dモデルを作成する手法を開発することにある.平成18年度は,前年度に開発したOut-of-Core手法を高速化するために,点群処理プラットフォームを64ビットマシンに移植し,大量点群を高速に処理できるシステムを構築した.また,異常値に対応するために,3D座標を極座標に変換し,モデル空間と点群を投影した球面画像を連携させる手法を開発した。そして,モデル空間での処理の一部を画像空間での処理に置き換えることで,異常値が非常に多い点群データに対して,比較的精度のよいクラスタリングやノイズ除去が行え,3Dメッシュモデルが作成できることを示した.実計測データを用いて評価を行い,プラントメンテナンスに必要な精度3-5mmが達成できることを確認した.
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