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2006 年度 実績報告書

ルート・エロージョン防止フィンに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17360425
研究機関独立行政法人海上技術安全研究所

研究代表者

右近 良孝  独立行政法人海上技術安全研究所, 流体部門, 副研究部門長 (90373430)

研究分担者 久米 健一  独立行政法人海上技術安全研究所, 流体部門, 研究員 (10373424)
安束 潤  九州大学, 工学院工学研究院海洋システム工学部門, 教授 (60211710)
キーワードキャビテーション / エロージョン / 高速艇プロペラ / タンデム・プロペラ / プロペラ流場 / LDV計測 / プロペラルート / 翼面圧力分布
研究概要

1.目的:高速艇や大型高速フェリーなどではプロペラ軸が船体から斜めに出ているので、プロペラの羽根の根元(ルート)にルート・キャビテーションが発生し、激しいエロージョンがしばしば発生する。プロペラの前方に小さなフィンを取り付けると、エロージョンを防止する効果があることが知られている。しかしながら、このフィンの理論的設計法は開発されていない。このため、フィン付プロペラの設計のツール開発のための検証データを入手するとともに、フィン付プロペラの設計法を開発することを目的とした。
2.研究実施計画実施経過:フィン付きプロペラの性能解析と設計法を開発するため、プロペラ設計作動点においてプロペラ周りのLDV計測を行い、理論計算法の検証データを取得するとともに、新しいプロペラとフィンを製作し、キャビテーション水槽で性能計測やルート・キャビテーションの観察を行い、ルート・エロージョンの原因となるキャビテーションの形態や挙動を把握した。実験のデータと対比して斜流プロペラ性能解析プログラムの開発に取り組んだ。プロペラ単独やフィン付プロペラの誘導速度を計算し、LDV計測結果との比較検討を行い、プロペラ性能計算法の精度を調査し、理論の改良やモデル化の検討に活用した。フィン付プロペラの性能解析法の開発を行った。異なる二種類のフィンの耐エロージョン効果とプロペラ効率への影響を二種類のプロペラについて調べた。更に、この種のプロペラに発生するエロージョンを最小となるフィンの配置を予測する計算法を開発に取り組んだ。
3.成果:高速船艇に特有の斜流プロペラのルート・キャビテーションについて(1)二種類の前方フィンと二種類のプロラの組み合わせに対してフィン付プロペラのキャビテーション性能を明らかにするとともにエロージョン試験を実施した。(2)プロペラとフィン付きプロペラについてLDVによる流場計測を行い、フィンのプロペラやフィン付プロペラに及ぼす影響を調査した。(3)周波数領域パネル法によるタンデム・プロペラの性能計算法の開発を行った。(4)時間領域パネル法による厳密な斜流プロペラの性能計算法を開発した。また、フィン付のプロペラについても性能計算法に取り組んだ。(5)エロージョン試験結果と周波数領域パネル法によるタンデム・プロペラの性能計算法によるフィン付プロペラプロペラについての圧力分布計算結果とを比較考察し、エロージョン指数を定義し、圧力係数を制御パラメータとする対エロージョンの観点からの最適フィン付プロペラ設計法を開発した。

  • 研究成果

    (17件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (16件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 前方フィンプロペラの流体力学的性能2007

    • 著者名/発表者名
      右近良孝
    • 雑誌名

      日本船舶海洋工学会講演会論文集 第4号

      ページ: 373-376

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] プロペラまわり流場の運動量理論による解析2007

    • 著者名/発表者名
      小山鴻一
    • 雑誌名

      日本船舶海洋工学会講演会論文集 第4号

      ページ: 377-380

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Research on Improvement of Propulsive Performance on a High-Speed Ship Equipped with a High-Powered Propeller2007

    • 著者名/発表者名
      右近良孝
    • 雑誌名

      海上技術安全研究所報告(予定)

  • [雑誌論文] 第24回ITTC総会エジンバラ報告-プロパルジョン委員会-2006

    • 著者名/発表者名
      右近良孝
    • 雑誌名

      日本船舶海洋工学会誌 咸臨 第5月号

      ページ: 79-80

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 第24回ITTC総会エジンバラ報告-エロージョン委員会-2006

    • 著者名/発表者名
      右近良孝
    • 雑誌名

      日本船舶海洋工学会誌 咸臨 第5月号

      ページ: 82-83

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 第4章 新型スーパーキャビテーション・プロペラ2006

    • 著者名/発表者名
      姫井弘平
    • 雑誌名

      ナカシマプロペラ(株)創業80周年記念論文集

      ページ: 36-47

  • [雑誌論文] 一軸超大型コンテナ船のプロペラ設計およびキャビテーション性能2006

    • 著者名/発表者名
      久米健一
    • 雑誌名

      日本船舶海洋工学会講演論文集 第2号

      ページ: 131-134

  • [雑誌論文] ルート・エロージョン防止法について2006

    • 著者名/発表者名
      右近良孝
    • 雑誌名

      第13回キャビテーションに関するシンポジウム前刷集

  • [雑誌論文] 高荷重プロペラを装備した高速船の性能向上について2006

    • 著者名/発表者名
      右近良孝
    • 雑誌名

      第6回海上技術安全研究所研究発表会講演集

      ページ: 189-190

  • [雑誌論文] 前方フィン付きプロペラ周りの流場計測2006

    • 著者名/発表者名
      堀利文
    • 雑誌名

      第6回海上技術安全研究所研究発表会講演集

      ページ: 197-198

  • [雑誌論文] 年鑑 船舶海洋工学界のこの1年,これからの10年(推進性能分野 その1)2006

    • 著者名/発表者名
      右近良孝
    • 雑誌名

      日本船舶海洋工学会誌 咸臨 第7月号

      ページ: 13-16

  • [雑誌論文] A Proposal for a Practical Design Method on Supercavitating Propeller2006

    • 著者名/発表者名
      Himei., K.
    • 雑誌名

      A Proposal for a Practical Design Method on Supercavitating Propeller

  • [雑誌論文] Prevention of Root Erosion for High-Speed Ship Propellers2006

    • 著者名/発表者名
      Ukon., Y
    • 雑誌名

      Proceeding of Symposium on Cavitation 2006

  • [雑誌論文] 漁船プロペラのキャビテーション特性2006

    • 著者名/発表者名
      右近良孝
    • 雑誌名

      日本船舶海洋工学会講演会論文集 第3号

      ページ: 301-304

  • [雑誌論文] 前方プロペラフィンとプロペラ相互干渉がプロペラ性能とキャビテーションに及ぼす影響2006

    • 著者名/発表者名
      右近良孝
    • 雑誌名

      日本船舶海洋工学会講演会論文集 第3号

      ページ: 305-308

  • [雑誌論文] パネル法による斜流プロペラの計算2006

    • 著者名/発表者名
      小山鴻一
    • 雑誌名

      日本船舶海洋工学会講演会論文集 第3号

      ページ: 309-312

  • [産業財産権] 斜流プロペラ計算プログラム2007

    • 発明者名
      小山 鴻一
    • 権利者名
      独立行政法人海上技術安全研究所
    • 産業財産権番号
      2007-NMRI-FED-LOYAMA-POF
    • 出願年月日
      2007-02-26

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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