研究課題/領域番号 |
17360426
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研究機関 | 独立行政法人海上技術安全研究所 |
研究代表者 |
村上 健児 独立行政法人海上技術安全研究所, 構造・材料部門, グループ長 (60112067)
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研究分担者 |
千田 哲也 独立行政法人海上技術安全研究所, エネルギー・環境評価部門, 部門長 (80344240)
植松 進 独立行政法人海上技術安全研究所, 構造・材料部門, 上席研究員 (10344235)
高橋 千織 独立行政法人海上技術安全研究所, エネルギー・環境評価部門, グループ長 (40399530)
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キーワード | 溶射コーティング / アルミニウムー銅 / アルミニウムー亜鉛 / 防食 / 防汚 / 海中浸漬 / 腐食生成物 / 断面分析 |
研究概要 |
防食・防汚に優れた溶射皮膜を開発するために、ガスフレーム溶射法で鋼基板上に種々の皮膜を作り、海中に浸漬して経時変化を調べると共に断面の分析を行った。以下の結果を得た。 1.Al-20%(及び40%)Cu合金粉末を溶射(下地に純Alを溶射):海中浸漬1月後から皮膜表面に粗大な白色の腐食生成物が生成した。3ケ月後から生物付着が少し見られるが、基材の腐食は見られない。 2.Al-2o%(及び40%、60%、80%)Cuブレンド粉末を溶射(下地の純Al溶射は有り及び無し):浸漬時間が長くなると20%Cu及び40%Cu皮膜には生物が付着する。60%Cu及び80%Cu皮膜には生物付着は見られないが、皮膜にき裂が発生し基材が腐食する。 3.Al-20%(及び50%、80%)Znブレンド粉末あるいは純Zn粉末を溶射(下地の純Al溶射は有り及び無し):生物付着及び基材の腐食は見られない。Al下地溶射がない場合には、皮膜表面に微細な点状白色腐食生成物が均一に生成するのに対して、Al下地溶射を施した場合には腐食生成物の寸法はやや大きく、生成量は多い。なお、比較材として海中に浸漬した純Zn板表面にも、1ケ月後には白色腐食生成物が均一微細に生成していた。純Zn皮膜以外で見られた腐食生成物は皮膜を内部から押し上げて破壊している。腐食生成物が基材に達している部分もあるが、基材の腐食は見られない。純Zn皮膜での腐食生成物は皮膜表面にだけ存在する。 本研究では、亜鉛含有量の多い皮膜が優れた防食・防汚特性を示すことを明らかにした。
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