研究課題/領域番号 |
17360428
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
金 放鳴 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教授 (90323039)
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研究分担者 |
榎本 兵治 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (80005412)
木下 睦 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助手 (70261592)
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キーワード | 二酸化炭素 / ハイドロサーマル / ソノケミストリー / 資源化 / 廃棄物 / 還元剤 |
研究概要 |
本年度実施項目ごとに得られた結果の概要は以下のようである。 1.反応後のガスを分析するためサンプリングができる反応装置の設計・製作 超音波を水熱反応場に照射できるバッチ反応装置にガスを収集できる反応装置を設計・製作した。 2.加硫ゴムを還元剤試料とした場合のCO_2の還元固定 まず、加硫ゴムの還元性が高いと考え、加硫ゴムによるCO_2の還元固定の効果について検討した。EPDM加硫ポリマーを用い、反応温度を400℃から450℃変化させ、CO_2の添加有無の場合の実験を行った。反応後の液相の生成物について、CO_2を添加した場合において、ギ酸が大量に生成した。このギ酸はCO_2の還元したものと考えられる。さらに、ガスを分析した結果、CO_2を添加した場合において、メタン、エタンなどのガスが大量生成し、水素も多量に検出した。反応前後のCO_2の量を正確的に測定するのが困難であるが、10%近いCO_2の減少がみられた。さらに、430℃の場合に、比較高CO_2固定効果がみられた。 3.硫化水素を還元剤試料とした場合のCO_2の還元固定 加硫ゴム中に含まれる硫黄は水熱反応条件下で硫化水素を生成し、この硫化水素を還元剤としてCO_2を有機物に還元させると推測して硫化水素を用いてCO_2の固定効果について検討した。まず、超音波を照射しない場合、EPDM加硫ポリマーを用いた場合と同様に、CO_2を添加した場合において、大量な蟻酸、メタン、エタンおよび水素ガスが生成した。さらに、反応後のCO_2の量約10%以上が減少した。これらの結果は、加硫ゴムの還元作用が加硫ゴム中に含まれる硫黄は水熱反応条件下で生成した硫化水素を還元剤として働いていることを示唆する。 さらに、超音波の照射効果の有無を調べるため、超音波を照射する場合の実験を行った。反応後CO_2量は若干減少したような傾向がみられたが、超音波の照射の有無による有意な差がみられなかった。 4.硫化水素を還元剤とした場合水から水素を生成する機構の検討 加硫ゴムおよび硫化水素を還元剤とした場合、CO_2の還元固定効果がみられたが、この効果が増加させるため、その機構の解明が必要である。加硫ゴムおよび硫化水素によるCO_2の還元機構は硫化水素による水から水素を発生したためと考え、硫化水素による水から水発生機構について調べた。硫化水素による水から水素の発生は確認し、水素の発生量はpHへの依存性が強いことも分かった。
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