研究課題
平成17年度は、小笠原弧火山フロント域、および背弧域において、AUV(自航式潜水探査艇)を用いた効率的な探査手法によって、新たな熱水噴出域と熱水金属鉱床の発見を目指す研究を実施した。JAMSTECの研究調査船「かいれい」を使用し、KR05-11観測航海(8月16日〜23日、首席研究員:玉木、参加研究員:浦、岡村他)を小笠原火山弧明神礁海域において実施した。実施した観測項目は、AUVによる熱水噴出域発見探査、SeaBeamによる精密海底地形探査、プロトン磁力計による地磁気探査、船上重力計による重力探査である。予定していた、有索無人探査艇「かいこう7000」による熱水噴出域潜航は、機器動作不良のため実施できなかった。明神礁カルデラ内のAUVによる潜航調査に成功し、同カルデラ内中央火口丘西麓海底近辺の海水中に強度のマンガン異常を検出した。この直下の海底に活発な熱水噴出域の存在を強く示唆するものであり貴重な成果である。また航走観測により得られた、調査海域のカルデ群の詳細な海底地形、地磁気・重力異常データを解析した結果、新たな複数のカルデラを発見するとともに、海域内の多数の活断層、小火山体の詳細な分布図を作ることに成功した。得られたデータは、本海域のカルデラ群とその内部に存在する熱水性金属鉱床の成因に関する貴重な基礎資料となるものと思われる。また、今回のAUVによる火山カルデラ内部の探査は世界初のもので、複数の新聞、雑誌にその成果が紹介された。
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Blue Earth'05第22回しんかいシンポジウム予稿集
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海洋調査技術学会第17回研究成果発表会講演集
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