研究分担者 |
東條 安匡 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (70250470)
恒川 昌美 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (40002026)
広吉 直樹 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (50250486)
伊藤 真由美 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (10339690)
角田 芳忠 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (00360933)
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研究概要 |
比較的低温の熱処理技術である炭化処理に注目し,16種類の様々な都市廃棄物と産廃廃棄物の炭化物を製造し、廃棄物およびその処理により得られた炭化物の物理・化学的な組成、発熱量などを分析し,質向上の方法について検討した。 まず炭化物の燃料利用の際に装置腐食などの問題を起こす塩素に注目し、水溶性の程度によって形態を分類・定量した。炭化物中塩素の大部分は水溶性であり、水洗による塩素除去効果は高い。一方、セメントキルン用燃料としては揮発性塩素0.1%が目標となっており、水洗により0.16%,炭酸化処理により0.11%程度となり、ほぼ満足出来ることが分かった。 炭化物中の灰分除去方法として重液選別、および石炭の灰分除去技術である浮選、液中造粒を適用し、合わせて灰分の存在形態について考察した。炭化物の発熱量(質)と可燃分回収率にはトレードオフ関係が見られ,都市ごみ炭化物の場合浮選あるいは液中造粒によって発熱量20000kJ/kg及び灰分30%以下の目標値を満足はできるが,可燃分の回収率は20%まで低下した。カーシュレッダー炭化物については、基準値を満足させることが不可能であった。炭化物中の灰分は可燃分と結合しており,粉砕等を行っても分離は困難である。 最後に,炭化処理を廃棄物の埋立前処理として検討するため、嫌気性埋立、好気性埋立を各々模擬したカラム実験を行った。炭化物からの有機物溶出は原廃棄物と比べて大幅に減少し、特に好気性カラムではアンモニア濃度が低下した。しかし、重金属の溶出が認められ、埋立処理においては酸化還元などによる環境条件の考慮が必要である。
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