研究課題/領域番号 |
17360444
|
研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
松岡 啓介 核融合科学研究所, 連携研究推進センター, 教授 (70023736)
|
研究分担者 |
岡村 昇一 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (60115540)
吉村 泰夫 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (90300730)
南 貴司 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (40260046)
秋山 毅志 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (80370138)
西村 伸 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (60311205)
|
キーワード | CHS / ヘリカルプラズマ / 磁気井戸 / 磁気シア / 閉じ込め改善 / 輸送障壁 / 断熱近似 / ホロー分布 |
研究概要 |
トロイダルヘリカルプラズマの閉じ込め改善を考える時、(1)乱流が帯状流に変換するようなプラズマの自発的な振舞と、(2)プラズマに対して外部から与える磁場配位等(磁気井戸、磁気シア)の条件、の2つが重要である。前者は直接制御することは出来ないが、後者によって前者の振舞は影響を受ける。このため、磁場配位の研究は重要である。磁気井戸+ステラレータシアの下ではドリフト反転が生じ、微視的不安定性の安定化効果が期待出来る。NBI加熱されたCHSプラズマでは、通常、周辺の粒子輸送が改善されるHモード遷移(H_αの低下)が生じる。更に、ガスパフを強くすると過渡的ではあるが、内部の電子温度が顕著に上昇する現象が現れる。このようなプラズマにおいて、H_αの低下の前後の磁気井戸を調べたところ、遷移2ms前では磁気丘であるが遷移3ms後では非常に浅いものの磁気井戸になっている。磁気シアはいずれの場合もステラレータシアになっている。しかしながら、電子温度の上昇フェイズと電子温度の下降フェイズにおいて、磁気井戸+ステラレータシアの配位は大きく見れば変わっていない。このため、全てをこのモデルで説明しようとすると、窮してしまう。しかし、電子に対して断熱近似が成り立たないとすれば、輸送を決めるポテンシャルの渦と電子密度の渦の位相が異なることになり、熱輸送の他に粒子輸送が生じることになる。問題としている一連の時刻において密度分布がホロー分布になっているので、遷移前では電子温度の揺動をキャンセルする方向の作用が働き、電子のエネルギー輸送を低減させ、温度を上昇させた可能性がある。一方、遷移後では温度の上昇により磁気井戸が形成されたため、磁気井戸とホロー分布の組み合わせでは電子温度の揺動を増幅させ、閉じ込めを劣化させうる。結果として、電子密度分布が磁気井戸の効果に大きな影響を与えることが分かった。
|