研究課題/領域番号 |
17360445
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
渡邉 智彦 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助教授 (30260053)
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研究分担者 |
洲鎌 英雄 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (80202125)
佐竹 真介 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (70390630)
山岸 統 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (20413990)
渡邉 國彦 海洋研究開発機構, 地球シミュレータセンター, プログラムディレクター (40220876)
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キーワード | プラズマ物理 / 核融合 / 乱流 / 輸送 / シミュレーション / 計算物理 |
研究概要 |
トーラス型磁場閉じ込め配位における異常輸送および新古典輸送機構の解明に向けた5次元位相空間分布関数のシミュレーション解析を進めてきた。本研究課題の初年度において得られた成果の概要を以下にまとめる。 (1)トカマクおよびヘリカル型における帯状流および測地的音波モード(GAM)の応答を理論的に導出し、GKVコードを用いたジャイロ運動論的シミュレーションによりその振る舞いを検証した。その結果、有限軌道幅効果やヘリカルリップルによりGAM振動の減衰が強められること、ヘリカル補足粒子の挙動が帯状流の長時間発展に重要となることが確かめられた。 (2)トカマク配位におけるプラズマ乱流輸送を解析するために、5次元GKVコードを地球シミュレータ用に最適化し、実効性能約4.8Tflops(192ノード利用)を達成し、従来に比べ約10倍の高速化がなされた。 (3)トカマク型装置の全トロイダル角を扱う大規模なイオン温度勾配(ITG)乱流シミュレーションを行った。従来のシミュレーションと比して揺らぎによる影響が小さく確度の高い乱流輸送係数の予測が可能となり、高次の非線形性が関わる帯状流(平均流)による輸送抑制機構が新たに見出された。また、ITG不安定性の飽和後にGAM振動の励起が観測された。 (4)トカマク型装置における電子温度勾配(ETG)乱流による電子熱輸送のシミュレーションを行い、ITGによるイオン熱輸送に比べより大きな無次元化輸送係数を観測した。 (5)ヘリカル型配位に適用できるようにGKVコードの拡張を行い、ITG不安定性のシミュレーションが可能になった。線形理論解析と同様にヘリカルリップルに起因した複雑なモード構造が確認できた。 (6)ヘリカル系での新古典解析においてもGAM振動を同定し、理論解析との一致を確認した。
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