研究課題/領域番号 |
17360450
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三村 均 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (10091753)
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研究分担者 |
新堀 雄一 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90180562)
佐藤 修彰 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (70154078)
林 拓道 産業技術総合研究所, 東北センター, 主任研究員 (20344228)
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キーワード | マイクロカプセル / パラジウム / 選択的分離 / 不溶性フェロシアン化物 / 有効利用 / 分離フィルタ |
研究概要 |
不溶性フェロシアン化物のマイクロカプセル(MC)化およびパラジウムの吸着特性評価、キャラクタリゼーションおよびフィルムの製造を実施し、以下の成果を得た。 (1)KCuFC-MCへのPd吸着速度は、25℃より50℃で大きく、2dでPd^<2+>吸着率が99%を超えた。0.25MNa^+共存下においても、吸着速度の低下は認めらず、KNiFC-MCはKCuFC-MCよりも吸着速度は小さい。 (2)KCuFC-MCは、0.3〜7Mの広い硝酸濃度で、97.5%以上の高いPd^<2+>吸着率を示した。高濃度硝酸共存下で僅かにPd^<2+>吸着率が低下したが、MC構造の崩壊およびH^+とPd^<2+>の競合反応と考えられる。KCuFC-MCは25〜80℃の温度で、99%以上という高いPd^<2+>吸着率を示した。KCuFC-MCおよびKMFC-MCの温度依存性は、アルギネートゲル内のPd^<2+>の拡散速度が影響している。 (3)KCuFC-MC充填カラムによるPd^<2+>の破過特性を調べ、Feed溶液の硝酸濃度がPd^<2+>破過容量に与える影響は認められない。5Mの硝酸濃度において0.031mmol/gで、破過容量は最大値を示した。流速を更に低下できれば、破過容量の増加が期待できる。 (4)Pd^<2+>を吸着させたKCuFC-MCカラムに0.1Mのチオ尿素を通液し、Pd^<2+>の溶出を試みた。43mlの通液により、約92%のPd^<2+>をチオ尿素溶液中に溶出できた。Fe^<3+>も同時に検出されたが、チオ尿素の強力な錯化作用により、KCuFC結晶格子元素の:Fe^<3+>がチオ尿素錯体を形成し、KCuFC結晶格子が崩壊した可能性が示唆される。 (5)KCuFCとNa-ALGとの混練ゾルをロ紙上に塗布し、Pd^<2+>の水溶液を噴霧し、ろ紙を支持体として、厚さ数μmのKCuFC内包型アルギネートフィルムシートの調製に成功した。
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