研究課題/領域番号 |
17360452
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
羽田野 祐子 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (60323276)
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研究分担者 |
武若 聡 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (80202167)
毛利 栄征 (独)農村工学研究所, 土質研究室, 室長 (90373224)
堀 俊和 (独)農村工学研究所, 土質研究室, 研究員 (20414451)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 環境技術 / 水質汚濁 / 土壌汚染 / フラクタル / 多孔質媒体 / 異常拡散 / 放射性廃棄物 |
研究概要 |
放射性廃棄物の地層処分において、地質媒体中の放射性物質の挙動は、移流分散方程式という支配方程式によってモデル化されている。しかし実際のフィールド試験や室内実験の再現性を検討した場合、これは必ずしも最適な支配方程式ではないのではないかという指摘がされている。そこで本研究では、移流分散方程式に代わるモデルで近年注目を集めているCTRW(Continuous Time Random Walk)を新しいモデルとし、実験的にこの支配方程式の検証を行った。実験的に検証したのは(1)縦分散係数の距離依存性、および(2)重金属吸着系での移流分散挙動の確認の2点である。(1),(2)の両方において、移流分散方程式よりもCTRWモデルの方が実験結果の再現性が高いことが明らかになった。さらに詳細を述べると、(1)については、十分長いサンドボックスを用いた透水実験を行ったことにより、CTRWで予測される挙動を示すことが確認された。ただし、現実の体系ではオリジナルのCTRWで導入した「異常性」は強すぎており、待ち時間の確率密度関数に対し上下のカットオフ時間を導入することにより、若干「異常性」を弱めた方が現実に近い結果となることが明らかになった。(2)については、強い吸着をする重金属と弱い吸着をする重金属の2種について実験を行い、前者ではオリジナルなCTRWの結果と近いものの、後者ではやはりカットオフを導入した方が実験値に近い結果を得ることがわかった。以上の結果によりLLW,HLW地層処分の解析においてもカットオフ有りのCTRWによる検討を行うことは有意義であると考えられる。
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