研究分担者 |
堀 宗朗 東京大学, 地震研究所, 教授 (00219205)
塩谷 隆二 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (70282689)
宮村 倫司 日本大学, 工学部, 講師 (30282594)
大石 篤哉 徳島大学, 工学部, 助教授 (70223716)
中林 靖 東洋大学, 工学部, 講師 (00349937)
|
研究概要 |
本研究では,原子力システムの耐震性能評価に焦点を絞り,先進計算科学に基づき,原子力システムの地震荷重負荷時の極限強度を高精度に予測する仮想耐震シミュレータの開発研究を行っている.具体的には,世界最高レベルの計算機である地球シミュレータ及び代表的なグリヅド環境であるITBL上で,シュラウドや燃料集合体,制御棒などの炉内構造機器を含む原子炉容器本体及び配管系やサポート機器の応答から極限強度までを丸ごとシミュレーションできる仮想耐震シミュレータの構築を目的としている. 第2年度目にあたる今年度は、東京電力・日立製作所から提供を受けた2億自由度沸騰水型圧力容器(BWR)モデルの地震応答解析を地球シミュレータ上の256ノードを利用し3.56TFLOPSという高い実効効率で行うことができた.時間刻み0.01秒で20ステップ分の解析を5.35時間で実行できた.またこの超大規模問題の静解析結果及び動解析結果を可視化するシステムを2種類開発した.一つは、地球シミュレータ上での解析結果をPCクラスター上でオフライン並列可視化するシステムであり、もう一つは、階層型データ構造を活用して、実時間で視野や位置を対話的に変更しながら内部までを詳細に可視化できるウォークスルー可視化システムである.また、昨年度に引き続き、接触解析への展開を目標に、バランシング領域分割法に多点拘束条件を組み込む手法として,節点対節点モデルに基づく接触問題に応用するためのアルゴリズムの開発を行い解析コードへの組み込みを行った.次年度は,これらの個別の要素技術を着実に発展,統合し,稼動中の原子力プラントにおける冷却水,熱の影響を考慮した地震応答解析をパラメトリックに行いBWR設計開発への貢献を目指す.
|