研究課題/領域番号 |
17370005
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
齋藤 裕 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20142698)
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研究分担者 |
高田 壮則 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (80206755)
佐原 健 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30241368)
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キーワード | 生物圏現象 / 行動学 / 進化 / 動物 / 群集 / ハダニ / カブリダニ / ナガヒシダニ |
研究概要 |
●群集構成の調査:イネ上科クマイザサ(北海道全域)、ススキ(本州以南)を対象微環境として、それらに発生するダニ類群集の種類構成を北海道において調査した。その結果、北海道におけるクマイザサ上のダニ類群集が他のどの地域のササ-タケ類よりも複雑であることが判明した。 ●群集構成種の生態:クマイザサ上、タケおよびススキに発生する種のうち、クマイザサにおいては、ケウスハダニ、ヒメササハダニ、ススキスゴモリハダニ、ミドリハダニ、タケにおいてはたけとりはだに、およびススキについてはススキスゴモリハダニの生活史の全貌を明らかにした。 ●構成種の分子系統:ハダニ類、カブリダニ類およびナガヒシダニ類について、イネ上科以外の寄生・発生する種を、できるだけ収集しrDNA 28S領域等で系統かいせきするための資料を得た。 ●システムズモデル構築:個々の種の生活史データ、またこれまでに蓄積されたクマイザサにおけるハダニ類-天敵ダニ類の相互関係データに基づき、差分型のシミュレーションモデルの骨格を完成させた。 ●モデル検証実験:コントロールされた環境(閉鎖系)において、シミュレーションモデルの実効性テストを行うために、半野外的な条件を再現できる飼育室を設置し、ササ、タケおよびススキのポット栽培法の可能性を調査した結果、きわめて良好な条件でこれらを生育させることができること、特にダニ類の繁殖に必要な湿度を公的条件に保つことができることが判明し,来年度からの実験開始の準備が整った。
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