研究課題
DREB2Aの負の活性調節を欠失して得られた恒常的活性型のDREB2Aをシロイヌナズナ中で過剰発現した。得られた形質転換体では生育の遅延が見られ、葉は野生株より緑色が濃く丸みを帯びており葉柄が短かった。恒常的活性型DREB2A過剰発現植物では顕著な乾燥耐性の構造が見られた。しかし、凍結耐性の向上はあまり顕著ではなく、この点はDREB1A過剰発現植物と異なる。シロイヌナズナの7kの全長cDNAマイクロアレイを用いて、DREB2Aの過剰発現によって発現が変化する遺伝子を同定した。同定されたDREB2Aのターゲット遺伝子群のプロモーター領域を探索してDRE配列を解析したところ、DREB1Aのターゲット遺伝子のプロモーターに保存されているDRE配列とは異なる部分があることが明らかとなった。ゲルシフトアッセイを行い、これらの配列に対してDREB2Aタンパク質とDREB1Aタンパク質が異なる結合特性を有していることを明らかにした。GFP融合タンパク質を用いて、全長のDREB2Aタンパク質と恒常的活性型のDREB2Aタンパク質の細胞内局在を確認した。GFP-恒常的活性型DREB2A融合タンパク質を発現するシロイヌナズナでは核に特異的に強いGFPのシグナルが観察され、核に高度に蓄積されていることが明らかとなった。一方、GFP-全長DREB2A融合タンパク質を発現するシロイヌナズナの核では非常に弱いシグナルしか観察されず、核に蓄積されるタンパク質の量とDREB2Aの活性に密接な関係があることが示唆された。DREB2Aの活性制御メカニズムにタンパク質分解系が関わっていると予測される。
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The Plant Cell in press
Physiologia Plantarum 126
ページ: 62-72