研究課題
基盤研究(B)
DREB2Aの負の活性調節を欠失して得られた恒常的活性型のDREB2Aをシロイヌナズナ中で過剰発現した。得られた形質転換体では顕著な乾燥耐性が見られた。マイクロアレイを用いて同定したDREB2Aの標的遺伝子群のプロモーター配列の解析とゲルシフト法を用いた解析により、DREB2AとDREBIAが異なる結合特性を有していることを明らかにした。GFP融合タンパク質を用いてDREB2Aタンパク質の細胞内局在を確認した結果、核に蓄積されるタンパク質の量とDREB2Aの活性に密接な関係が見いだされ、DREB2Aの活性制御機構にタンパク質分解系が関わっていると予測された。活性型のDREB2Aを過剰発現したシロイヌナズナ中で発現が増加した遺伝子に関して、DLREB24破壊株中での発現を確認したところ、ストレス誘導性の発現が顕著に低下していた。これらのDREB2A下流遺伝子の中には、高温ストレスに応答するが乾燥ストレスには応答しない遺伝子、反対に乾燥ストレスに応答するものの高温ストレスには応答しない遺伝子が含まれていた。DREB2Aの下流には、乾燥ストレス応答性発現と高温ストレス応答性発現とを使い分けている制御システムの存在が示唆された。活性型DREB2A過剰発現シロイヌナズナおよびDREB24破壊株を用いて、高温ストレス耐性試験を行った。野生型シロイヌナズナを45℃で1時間処理すると、その生存率は13%であったが、活性型DREB2A過剰発現体は80%以上の生存率を示した。野生型シロイヌナズナは37℃で1時間処理することにより高温ストレス耐性を獲得し、49℃で1時間処理しても78%が生存できるようになる。しかし、DREB2A破壊株では生存率が50〜60%に低下していた。DREB2Aは高温ストレス耐性機構でも機能していることが明らかになった。
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