研究課題/領域番号 |
17370026
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
道端 斉 広島大学, 大学院理学研究科, 教授 (00111740)
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研究分担者 |
植木 龍也 広島大学, 大学院理学研究科, 助教授 (10274705)
廣田 洋 理化学研究所, 蛋白質構造・機能研究グループ, 副ディレクター(研究職) (00126153)
濱田 季之 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (40321799)
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キーワード | ホヤ / バナジウム / 金属結合タンパク質 / 立体構造 / 細胞培養 / 酸化還元 / 円二色性スペクトル |
研究概要 |
ホヤの高選択的かつ高濃度のバナジウム濃縮機構のカギを握るバナジウム結合タンパク質に関して、細胞内外での局在と機能分担の解明を行なうとともに血球の培養系を確立することを目指し、以下のとおり実施した。 1.Vanabinと相互作用する新規タンパク質VIP1に対するポリクローナル抗体を作成し、細胞内局在を調べた。ウェスタンプロットでは期待されるサイズである38-kDaの他に、55-kDaのタンパク質が、細胞質および細胞膜画分において検出された。バナドサイトの免疫染色では、細胞質が強く染まった。 2.Vanabin2の金属結合部位と予想されるアミノ酸に変異を導入した種々の変異体を作製した。得られた変異型Vanabin2の金属選択性・親和性をHummel Dreyer法によって調べたところ、バナジウム結合能が大きく変化するアミノ酸残基を見出した。 3.Vanabin2を還元剤メルカプトエタノールとDTTおよびTCEPで処理した場合、それぞれ決まった濃度範囲で複数の中間体が観察された。 4.Vanabin2の9対のSS結合の、金属結合能および構造安定化に対する寄与を調べるために、一連のセリン置換変異体を作成した。N末端側から6対のSS結合を欠損したSSml-6変異体は非常に断片化しやすく、特に5番目のSS結合が構造の安定化に関わっていることが示唆された。 5.スジキレボヤ成体および幼若個体に由来する培養細胞株の樹立を試みたが、成功しなかった。パーティクルガンによる血球への遺伝子導入を試みたが、成功しなかった。 6.Vanabin1、Vanabin2、VanabinPの結晶化条件の検討を行ったが、いずれも溶解度が高く結晶化しなかった。
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