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2005 年度 実績報告書

ショウジョウバエの味覚受容神経機構の分子生理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17370027
研究機関九州大学

研究代表者

谷村 禎一  九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (20142010)

研究分担者 松本 顕  九州大学, 高等教育総合開発研究センター, 助手 (40229539)
キーワードショウジョウバエ / 味覚 / 遺伝子 / トランスダクション / 投射パターン / Gタンパク質
研究概要

味覚受容トランスダクション機構について以下の成果を得た。3量体Gタンパク質の味覚器における発現を調べたところ、α、β、γサブユニットの各1個が主に発現していた。Gγ1遺伝子が発現している味細胞を同定するために味細胞の機能阻害実験をおこなった。Gγ1遺伝子に対する2本鎖RNAを発現するUAS-RNAi系統を用いて、Gγ1遺伝子をノックアウトしたときの味覚神経応答を電気生理学的に解析したところ糖に対する応答が低下していた。Gγ1遺伝子のnull突然変異型はホモ致死であるので、FLP/FRTシステムを用いて任意のタイミングで体細胞組換えを起こし、Gγ1遺伝子のnull突然変異ホモ接合体の細胞を生じさせた。その味細胞の糖に対する神経応答は完全には消失していなかった。Gγ1遺伝子は糖受容細胞で発現しており、糖受容シグナルトランスダクションに関与していると考えられる。ショウジョウバエの味細胞の軸索は、唇弁からは脳の食道下神経節に、フ節や翅からは胸部神経節に直接伸びている。特定の味細胞でGAL4が発現しているGal4エンハンサートラップ系統をスクリーニングし、唇弁の感覚子に接続する1個の味細胞でGAL4が発現している系統を得た。GAL4発現細胞の機能阻害により生じる味覚応答の変化を調べた結果、GAL4発現細胞は水受容細胞であることがわかった。モザイク法を用いて、1個か数個の水受容細胞でGFPを発現させ、中枢への投射パターンを観察したところ、唇弁のすべての味覚感覚子に接続する水受容細胞は、食道下神経節の同じ領域に投射していた。水受容細胞とは異なる味細胞でGAL4が発現しているGr32a-Gal4の投射パターンとを比較したところ両者の投射パターンは異なっていた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Cellular identification of water gustatory receptor neurons and their central projection pattern in Drosophila.2006

    • 著者名/発表者名
      Inoshita, T., Tanimura, T.
    • 雑誌名

      The Proceedings of the National Academy of Sciences USA 103

      ページ: 1094-1099

  • [雑誌論文] G protein gamma subunit 1 is required for sugar reception in Drosophila.2005

    • 著者名/発表者名
      Ishimoto, H., Takahashi K, Ueda R., Tanimura, T.
    • 雑誌名

      EMBO Journal 24

      ページ: 3259-3265

  • [雑誌論文] Drosophila has two circadian clocks with different responsiveness to light.2005

    • 著者名/発表者名
      Yoshii, T., Funada, Y., Murata M., Ibuki T., Matsumoto, A., Tanimura, T., Tomioka, K.
    • 雑誌名

      European Journal of Neuroscience 22

      ページ: 1176-1184

  • [雑誌論文] An endoderm specific GATA factor gene, dGATAe, is required for the terminal differentiation of the Drosophila endoderm.2005

    • 著者名/発表者名
      Okumura, T., Matsumoto, A., Tanimura, T., Murakami, R.
    • 雑誌名

      Developmental Biology 278

      ページ: 576-586

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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