研究課題
基盤研究(B)
本研究課題の目標は、味細胞の詳細な機能の同定と、個々の味細胞の味情報が中枢でどのように情報処理されているかをショウジョウバエにおいて解明することであった。昨年度の研究によって、タングステン電極を用いた新しい味細胞神経活動の記録法を確立することができた。この記録法では、非水溶性の物質に対する応答を記録できる利点がある。これまでの行動解析によって、体表の炭化水素化合物が求愛行動における雌雄の識別に関与していることが示唆されてきたが、生理学的な証拠はなかった。今回、求愛行動を抑制することが知られている7-tricoseneに対する味応答を記録することに成功した。唇弁の特定の感覚子が応答し、苦味物質に応答するL2味細胞が7-tricoseneに応答することが明らかになった。これは、味細胞が摂食行動だけでなく求愛行動にも関与していることを意味している。求愛行動にはフ節の感覚子が主に関与している。そこで、苦味細胞で発現しているGr66a遺伝子のプロモーターGal4系統を用いてL2味細胞の中枢神経系への投射パターンを解析した。数個の味細胞でGFPが発現している個体を解析し、同定した複数の感覚子の味細胞からの投射パターンを明らかにした。その結果、直接食道下神経節に投射する味細胞と胸部神経節に投射する味細胞の2種類のパターンがあることがわかった。さらに胸部神経節における反対側への投射があることがわかった。
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