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2007 年度 実績報告書

環日本海要素ヒロハテンナンショウ群の分子系統地理

研究課題

研究課題/領域番号 17370032
研究機関東京大学

研究代表者

邑田 仁  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90134452)

研究分担者 東馬 哲雄 (大井 哲雄)  東京大学, 理学系研究科, 助教 (10376527)
河原 孝行  森林総合研究所, 北海道支所, 研究グループ長 (70353654)
キーワード植物 / 進化 / 分類学 / 植物相 / 種分化 / 系統地理
研究概要

本研究はテンナンショウ属のマムシグサ節全体の系統解析により目本産のヒロバテンナンショウに近縁なグループからなる「ヒロハテンナンショウ群」を特定し,分子系統地理解析と倍数性解析を行い,この群の種分化と,過去の分布変遷について明らかにすることを目的としている。今年度は未調査地域での追加調査を行い,分布の現状を把握するとともに形態変異,倍数性解析,葉緑体DNA解析を行い,更にこれまでに調査した全集団について集中的に核DNA phytochrome B遺伝子の解析を行った。その結果以下の点を明らかにすることができた。
1.従来,ヒロハテンナンショウ群では,染色体2倍体が2集団しか知られていなかったが,新たに日本各地からの3集団で発見された。そのうち,岡山県で発見されたものは形態的に独特のもので,ナギヒロハテンナンショウと命名し,新種発表した。
2.葉緑体DNA解析では8種類のハプロタイプが識別され,その1つは2,3,4,5,6倍体に広く分布していることが明らかとなった。他のハプロタイプは分布域が局所的で,また異なる倍数レベルに共通したものはなく,染色体倍数化,地理的分化についての有効な情報が得られなかった。
3.phytochrome B遺伝子には11種類のアリルが識別され,そのうち主要な2種類のアリルが2,3,4,5,6倍体に広く分布していることが明らかとなった。他のアリルは分布域が極めて限られており,倍数体問,地域集団間の関係を議論することができなかった。
以上から,解析した遺伝的変異の情報からは,染色体倍数化や地理的分化の進化過程を探るために十分な情報が含まれていなかった。ヒロハテンナンショウ群については,個体レベルの遺伝的変異解析や倍数体群の遺伝的解析でも有効な手法とされるAFLP多型解析を行う必要であると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Arisaema inaense and A.nagiense, two diploid species of A. ovale group (Araceae)2008

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi T., Sasamura K., Watanabe K. and Murata J.
    • 雑誌名

      Acta Phytotaxonomica et Geobotanica 59

      ページ: 37-43

    • 査読あり
  • [学会発表] 倍数化及び地理的隔離によるヒロバテンナンショウ群(サトイモ科)の多様性2008

    • 著者名/発表者名
      笹村 和幸・東馬 哲雄・邑田 仁
    • 学会等名
      日本植物分類学会第31回大会
    • 発表場所
      首都大学東京
    • 年月日
      2008-03-21

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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