研究課題/領域番号 |
17370056
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
神山 勉 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30170210)
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研究分担者 |
井原 邦夫 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 助手 (90223297)
村上 緑 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助手 (20324387)
奥村 英夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科(H17・7・1より理化学研究所の協力研究員), 産学官連携研究員 (90377903)
倭 剛久 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90251587)
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キーワード | 生物物理 / 蛋白質 / ナノバイオ / 計算物理 / 分子機械 / 膜タンパク質 / レチナール蛋白質 / X線結晶構造解析 |
研究概要 |
バクテリオロドプシンは高度好塩菌に見出された光駆動プロトンポンプで、構造・機能が最も解明された生体ポンプである。研究代表者らは、バクテリオロドプシンの反応中間体の構造解析を基に、「バクテリオロドプシンは水分子の輸送をも司る"水分子/プロトン対輸送体"である」という仮説を提唱した。"水分子/プロトン対輸送体説"の裏付けを取るため、今年度においては以下の研究を行った。1)「物質輸送には蛋白質内の遊びの空間が必要である。」との考えの妥当性を示すため、高圧キセノンガス存在下での構造および光化学反応を調べた。膜融合法により得たバクテリオロドプシンの良質な結晶にキセノンなど希ガスを封入しX線結晶構造解析を行い、プロトン取り込み経路近くに存在する空隙にキセノン1原子が特異的に結合することを明らかにした。このキセノン結合は始状態の構造に影響を及ぼさないものの、ミリ秒域の反応キネティックスに大きな影響を及ぼすことを見出した。2)高度好塩菌Halorubrum sp.aus-1およびaus-2に見出された光駆動プロトンポンプ(アーキロドプシン-1(aR-1)および-2(aR-2))のX線結晶構造解析を行い、それぞれ3.4Å、2.5Åの分解能で求めた。バクテリオロドプシンとの構造比較から、プロトン輸送にとって本質的に重要な役割を果たすと考えられる水分子やタンパク質内空隙を絞り込むことができた。3)新規プロトンポンプ、デルタロドプシン(dR)を大腸菌で発現させると、レチナールの添加で紫色に色づいて、大腸菌の細胞膜中で機能的に発現する事を発見した。4)イカ・ロドプシンの結晶化を行い、4Å分解能のX線回折データを収集した。
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