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2007 年度 実績報告書

MCMヘリカーゼ機能発現調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17370059
研究機関茨城大学

研究代表者

石見 幸男  茨城大学, 理学部, 教授 (80159772)

キーワードMCMタンパク質 / 細胞周期 / DNA複製 / DNAヘリカーゼ / チェックポイント / タンパク質ドメイン / 一本鎖DNA結合活性 / 分子生物学
研究概要

主要な2課題について、本年度の進展を以下に述べる。
1.MCM2によるMCM467ヘリカーゼ阻害機構の解明
無細胞タンパク質合成系を用いて作成した、様々なヒトMCM2タンパク質断片をMCM467ヘリカーゼ反応系に加え、それらのヘリカーゼ阻害活性を調べた。その結果、全長のMCM2タンパク質とともにカルボキシ末端断片が活性を阻害することが分かった。その阻害機構については、全長のものの場合、MCM467複合体をMCM2467へ変換することが要因であるのに対し、カルボキシ末端断片の場合は、基質DNAの一本鎖部分に結合することが、活性を阻害する原因であることが分かった。見方を換えると、ヒトMCM2のカルボキシ末端領域に、新規の一本鎖DNA結合活性を同定することができた。一方で、MCM2内のMCM4と相互作用する領域は、MCMドメインを含むMCM2の中央部であることも明らかになった。これまでに我々は、MCM2のアミノ末端領域にヒストンH3との結合部位を同定しているが、このことと今回の結果から、MCM2タンパク質はDNA複製フォークにおいて、一本鎖DNAと結合しつつ、鋳型上のヒストンの複製後DNAへの再結合に機能することが示唆される。
2.クラスピンなどのMCM相互作用因子のMCM467ヘリカーゼに対する効果
MCM機能に影響を与えると予想される、チェックポイント因子のクラスピンや細胞周期制御因子のRbタンパク質の働きを明らかにするために、それらのタンパク質(断片)とMCM2-7タンパク質間相互作用を昆虫細胞内共発現系と引き続く免疫沈降実験より調べた。その結果、クラスピンがMCM6と特異的に結合すること、また、Rbのアミノ末端領域断片がMCM3,5,6,7と結合することが分かった。機能的には、クラスピンはDNA複製に対し正の効果をもつことが予想されるのに対し、Rbタンパク質は負の効果を示すと考えられる。今回の我々の結果から、特にMCM7との結合が、Rbの負の効果を生み出す要因である可能性が考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Biochemical characterization of fragmented human MCM22008

    • 著者名/発表者名
      Komamura-Kohno, Y., et. al.
    • 雑誌名

      FEBS Journal 275

      ページ: 727-738

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Proteosome inhibitors remarkably prevent translesion replication in cancer cells but not normal cells2008

    • 著者名/発表者名
      Takezawa, J.
    • 雑誌名

      Cancer Science 99

      ページ: 863-871

    • 査読あり
  • [学会発表] MCM2タンパク質のヒストンシャペロン活性2007

    • 著者名/発表者名
      石見幸男
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会年会/第80回日本生化学会年会合同大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-12-15
  • [備考] 茨城大学研究者情報総覧

    • URL

      http://info.ibaraki.ac.jp/scripts/websearch/index.htm

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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