研究課題/領域番号 |
17370060
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大矢 禎一 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20183767)
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研究分担者 |
園池 公毅 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (30226716)
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キーワード | 細胞壁 / チェックポイント / サイクリン / フォークヘッドタンパク質 / ダイナクチン |
研究概要 |
細胞周期は、細胞周期チェックポイントと呼ばれるフィードバック機構によって厳密な制御を受けている。これまでに出芽酵母では、DNA損傷やDNA複製、アクチン細胞骨格、スピンドル形成やスピンドルの位置などをモニターするチェックポイント機構が次々と明らかにされてきたが、他にも未知のチェックポイント機構が存在している可能性も指摘されてきていた。そうした中で、研究代表者らは細胞壁合成欠損株の解析を行い、細胞壁合成をモニターする新規のチェックポイントを発見した。 細胞壁チェックポイントが欠損すると、細胞壁合成停止時に細胞周期を停止できず、異常に核分裂が進行して、結果として生存率が低下した。チェックポイント制御機構のメカニズムの解析を行ったところ、Clb1p、Clb2pの転写誘導がチェックポイント制御により、抑制されていることが明らかになった。さらにダイナクチン複合体の構成成分であるArp1pが重要であることがあきらかになった。Fkh2pはフォークヘッドファミリーに属する転写因子であるが、同じくフォークヘッドファミリーのメンバーであるFkh1pもfks1ts wac1株中で破壊することにより、細胞壁チェックポイント変異を抑圧した。これら一連の結果から、細胞壁チェックポイント機構は細胞壁合成停止に応答して、ダイナクチン複合体とフォークヘッドファミリーに属する転写因子が働いて、C1b2pの発現を転写レベルで抑制し、これによりM期の前で細胞周期が停止していると考えた。
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