研究課題
基盤研究(B)
多くの動物の卵母細胞は、減数分裂の途中で細胞分裂を休止する。その休止時に、卵は受精に最適な細胞周期に到達する。もしもその時期以外で受精させると、発生が異常になる。すなわち減数分裂の休止は、正常発生を保証するための受精タイミング補正装置として役立っている。しかし、第1分裂中期(MI)休止における装置の詳細については、必ずしも明らかでなかった。本研究では、ヒトデ卵母細胞の休止が、卵巣内におけるMI休止と放卵されて約10分間継続するMI pauseの2種類存在することを明らかにした。MI休止は卵巣内における卵母細胞の細胞内pH(pHi)が7以下であることで実現され、一方MI pauseでは、放卵直後に活性化されるMAPK(ERK)と7〜7.3のpHiによって実現される。また放卵後、Na^+/H^+エクスチェンジャー(NHE)がMAPKカスケード依存的に活性化され、細胞内pHが上昇することでMI pauseが解除されることも明らかにした。さらに、大腸菌に発現させた野生型または突然変異型ヒトデNa^+/H^+エクスチェンジャーをヒトデ卵無細胞系に添加し、放射性ATPによるヒトデNHEへのリン酸化量を定量したところ、MAPKは直接リン酸化に働かないことが明らかになった。すなわちMAPKはp90RSKをリン酸化することで、活性化されたp90RSKがヒトデNHE C末の3アミノ酸(セリン)をリン酸化することで、NHE活性化に働くことが明らかになった。
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