研究課題/領域番号 |
17370084
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
横山 和尚 独立行政法人理化学研究所, 遺伝子材料開発室, 室長 (80182707)
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研究分担者 |
村田 武英 独立行政法人理化学研究所, 遺伝子材料開発室, 先任研究員 (50281621)
木村 誠 独立行政法人理化学研究所, 遺伝子材料開発室, 先任研究員 (00290891)
潘 建治 独立行政法人理化学研究所, 遺伝子材料開発室, 研究員 (80373356)
小倉 淳郎 独立行政法人理化学研究所, 遺伝工学基盤技術室, 室長 (20194524)
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キーワード | クロマチン / ヒストンシャペロン / ヒストンアセチル化 / 転写因子 / リモデリング / ヒストン脱アセチル化 / 分化制御 / アデノウイルスベクター |
研究概要 |
胚性腫瘍F9細胞のレチノイン酸(RA)による原始内胚葉への分化誘導に必要な発癌遺伝子C-Junのトランス活性化を制御する転写因子複合体(DRF : Differentiation Regulatory Factors)を見いだし、その中の成分のひとつのJDP2転写因子についての分子生物学的解析を行い、クロマチン制御に及ぼす役割と分化制御との関連を明らかにした。JDP2は一般に、ヒストン脱アセチル化酵素HDAC3とコリプレッサーNcoR/SMARTをDRE上にリクルートしてC-Junの転写を抑制し、F9細胞の未分化状態を維持する。RA刺激によりHDAC3とコリプレッサーNcoR/SMARTとJDP2はDREより遊離し、ヒストンアセチル化酵素のp300複合体がリクルートしてきてC-Junのトランス活性化を促進し分化を駆動する。昨年、JDP2はヒストンのH3とH4K8,K16に作用してp300HATによるアセチル化を阻止するヒストンシャペロンである事を明らかにした(Nature Struc.Mol.Biol.13,331-338,2006)。今年は、JDP2のノックアウト(KO)マウスを用いた解析より、JDP2は増殖制御、特に細胞周期レギュレーターとして働く事を明らかにした。その標的遺伝子をマイクロアレー解析を行い、CyclinAとp21を同定した(未発表)。今年は、これらのKOマウス由来の線維芽細胞(MEF)にアデノウイルス-JDP2を導入し、JDP2が細胞周期休止に関与する分子である事を始めて明らかにした(未発表)。また再構成実験を行い、C-Jun転写活性の特異的抑制活性を再構成する事に成功した。
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