研究課題
多くの遺伝子のもつ情報を結合するというアプローチにより、真核生物における大きな単系統群の位置を明確にし、それら相互の関係と系統樹の根もとを解明することを目的として研究を行った。昨年度に引き続き、一般的に蓄積データの少ない系統の中で、主としてストラメノパイル、アルベオラータ、有中心粒類太陽虫、クリプト植物、紅色植物などを中心に、細胞質のリボソームRNAや保存的タンパク質をコードする遺伝子を解析した。これらのデータを含め、最尤法により複数遺伝子の結合データ解析をさまざまなデータセットに対して試みた。その結果、有中心粒類太陽虫をバイコント生物群の根もと近くに位置づける系統樹が結合データ解析でbest treeとして選ばれたが、有意なサポートは得られず、更なる検討が必要であると考えられた。そこで、有中心粒類太陽虫のタンパク質コード遺伝子の配列データを網羅的に取得するために、Raphidiophrys contractilisのcDNAライブラリーを作成した。一方、ハプト植物やクリプト植物がストラメノパイル/アルベオラータとともに大きなクレードの中に位置づけられるとする「クロモアルベオラータ仮説」を検証するために、ストラメノパイルやアルベオラータのタクソンサンプリングを充実させて結合データ解析を試みたが、この仮説へのサポートはほとんど得られなかった。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (4件)
Journal of Eukaryotic Microbiology 54(1)
ページ: 33-37
Journal of Eukaryotic Microbiology 54(2)
ページ: 191-200
Gene (Epub ahead of print)
寄生虫分類形態談話会会報 23・24
ページ: 1-8