研究課題/領域番号 |
17380008
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
國分 牧衛 東北大学, 大学院農学研究科, 教授 (40323084)
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研究分担者 |
中村 貞二 東北大学, 大学院農学研究科, 助手 (70155844)
岡田 益己 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター寒冷地温暖化研究チーム, チーム長 (10355274)
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キーワード | 作物学 / ダイズ / 窒素固定 / 気候変動 / 物質生産 |
研究概要 |
大気圏の二酸化炭素濃度の上昇に伴う気温の上昇が予想されており、そのような条件下での作物生産量の変動は重要な研究課題である。高気温・二酸化酸素濃度条件下での作物の物質生産・収量は、窒素の供給量と密接な関係にあることが指摘されている。そこで、窒素固定能が異なるダイズ品種・系統を用い、固定能と物質生産・収量との関係を解析した。材料は、根粒通常着生品種のエンレイとタマホマレ、根粒超着生(スーパーノジュレイション)品種のEn-b0-1と関東100号、根粒非着生系統のEnl282を用いた。東北農業研究センターに設置されている温度勾配制御施設(グラジオトロン)を用い、異なる二酸化炭素濃度条件(大気濃度(A)、大気濃度+200ppm(E))と気温条件(大気気温から約2℃低温(L)、大気気温から2-5℃高い気温(H))を組み合わせた処理を生育の全期にわたり与えた。高二酸化炭素・気温(E、H処理)による物質生産促進効果は、生育前半においてはすべての品種・系統において顕著にみられたが、生育後半においては、根粒着生品種においてのみみられ、根粒非着生品種では認められなかった。E・H処理による物質生産促進効果は、根粒通常着生品種と根粒超着生品種間における差異は小さかった。E・H処理条件では、根粒による窒素固定能と光合成能の増加が認められたことから、E・H条件下では、窒素固定能と光合成能の両機能の増加が物質生産促進の基礎であることが解明された。一方、このような物質生産の促進は、子実収量には反映されず、ほとんどの品種・系統においてE・H処理区の子実収量はA・L区を上回らなかった。高二酸化炭素濃度条件下では気孔開度が低下し、蒸散量が減小するため、植物体温が上昇し、生理機能に悪影響を与えたことが想定される。また、高温条件下では、葉面積がきわめて大きいため、蒸散量に吸水が追いつかなかった可能性も考えられる。次年度はこれらの要因を考慮しながら、物質生産の子実への分配に及ぼす影響の解析を進める。
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