研究概要 |
本研究の大目的は,国営公園に代表される大規模公園に関して,長期的で大規模な拡張・改善・修理・維侍・機能更新・運営などを「公園再開発」としてとらえ,その合理的計画案策定を支援するコンピュータシステムを用いた方法論を開発することである。その際,単に景観をCGなどにより可視化するだけのシステムではなく,対立する様々な価値観とコストとのバランスを確認しながら,多様な主体(プレイヤー)の主観的評価と計画案を蓄積し,それらを比較しながら,妥当な計画案に収束させてゆく公園再開発シミュレーションゲームとして提案するものである。 国営沖縄記念公園海洋博覧会地区をケーススタディに,上記機能を持つシステムを開発し,動作を確認した。ゲームは,システム的に選択・配置エンジン,パラメータ・エンジン,ビジュアライゼーション・エンジン,およびデータベース・エンジンの4つの独立したエンジンより構成される。エンジンの入れ替えや拡充,補修が個別に可能であり,ゲームの性能をエンジンごとに向上させていくこともできる。 そのシステムを用いて多様な価値観を持つプレイヤーが計画案作成を行い,逐一その行動過程を各種価値観パラメータ,コストや施設グレード,施設整備順序などのデータをログとして蓄積できることが確認できた。 現在,これまでの実験結果からゲーム操作上のインタラクティブなインターフェースの改良,公園施設メニューの追加などシステムの改良を加えつつある。 以上の成果について、日本造園学会誌ランドスケープ研究において、査読済論文として掲載が決定した。
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