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2005 年度 実績報告書

トマト果実成熱に関わるACC合成酵素のリン酸化による翻訳後制御機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17380020
研究機関名古屋大学

研究代表者

森 仁志  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20220014)

キーワードACC合成酵素 / エチレン生合成 / 翻訳後制御機構 / タンパク質のリン酸化制御 / タンパク質脱リン酸化酵素
研究概要

エチレンはガス状の植物ホルモンであり、高等植物の一生を通じて様々な成長段階で重要な働きをしている。とりわけ果実の成熟や野菜・花卉の老化など、園芸作物に与える影響は極めて大きく、エチレンの作用を人為的に制御することは、園芸分野において重要な課題である。我々はエチレン生合成経路の鍵となるACC合成酵素がリン酸化によって、その酵素の安定性が制御されていることを明らかにしてきた。今年度は、1)ACC合成酵素と結合して分解に導くと推定されるタンパク質(LeEOL;ETO1-Like)の結合様式を解析した。その結果、LeEOLは非リン酸化状態のACC合成酵素とは結合するが、リン酸化されたACC合成酵素とは結合しないことが明らかになった。このことは、ACC合成酵素がリン酸化によって、そのタンパク質の安定性が制御されていることを示唆している。次に2)ACC合成酵素を脱リン酸化するprotein phosphataseの同定を試みた。まずACC合成酵素LeACS2のC末端領域のリン酸化合成ペプチド13残基を合成した。このペプチドのN末端にはビオチンを付加し、C末端はカルボキシル基をアルデヒド基に置換した。すなわち、このペプチドは、それを認識したタンパク質の結合部位近傍のリジン残基のε-アミノ基と、C末端のアルデヒドを介して共有結合し、その後ビオチンを認識するストレプトアビジンカラムを用いて結合したタンパク質を回収することができる。回収されたタンパク質はperoxidase結合のストレプトアビジンで検出する。この方法で解析した結果、約35kDのシグナルが検出された。このタンパク質のサイズはprotein phosphataseの触媒サブユニットのサイズと一致していた。そこで、このシグナルの位置のゲルを切り出し、トリプシン消化後、質量分析計でタンパク質の同定を試みたが、protein phosphataseであるとの確証を得るには至らなかった。今後はさらにタンパク質の同定を試みる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Auxin controls local cytokinin biosynthesis in the nodal stem in apical dominance.2006

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, M.
    • 雑誌名

      Plant Journal 45

      ページ: 1028-1036

  • [雑誌論文] Isolation, characterization and cloning of α-L-arabinofuranosidase expressed during fruit ripening of Japanese pear (Pyrus pyrifolia).2005

    • 著者名/発表者名
      Tateishi, A.
    • 雑誌名

      Plant Physiology 138

      ページ: 1653-1664

  • [雑誌論文] An S-like ribonuclease gene is used to generate a trap-leaf enzyme in the carnivorous plant Drosera adelae.2005

    • 著者名/発表者名
      Okabe, T.
    • 雑誌名

      FEBS Letters 579

      ページ: 5729-5733

  • [雑誌論文] Involvement of PPS3 phosphorylated by elicitor-responsive mitogen-activated protein kinases in the regulation of plant cell death.2005

    • 著者名/発表者名
      Katou, S.
    • 雑誌名

      Plant Physiology 139

      ページ: 1914-1926

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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