研究課題/領域番号 |
17380022
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
細川 宗孝 京都大学, 農学研究科, 助手 (40301246)
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研究分担者 |
海道 真典 京都大学, 農学研究科, 助手 (20314247)
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キーワード | CSVd / 形質転換 / 機能性RNA / ウイロイド / キク / 日長反応性 / 生体内濃度 / Multiplex RT-PCR |
研究概要 |
1.キク‘ピアト'は開花のためには短日条件を必要とするが、CSVdが感染すると長日条件下でも開花することをこれまでに認めている。本年度の実験で、CSVdが感染したキクにおいてsiRNAが存在していることを認めた。このことはCSVd分子が生体内で分解されていることを示すものであり、この分解産物がキクの生態反応に影響を及ぼしている可能性も考えられた。よって、siRNAを多く蓄積するキクを作出することによって、開花反応が異なるかどうかを調査する必要がある。また、自然界の中でCSVdの配列が一部異なる変異体を探索したところ、ダリアから検出されたCSVdがこれまでのキク系統と病原性部位に2-3塩基の変異があることが見つかった。本系統はペチュニアやアゲラータムで病徴を引き起こすことが知られているが、キクでの感染。病徴の発現例は知られていない。現在本CSVd系統をキクに感染させており、来年度の実験材料とする予定である。 2.キクの形質転換系を確立することを目的とし、発生不定芽の多い品種のスクリーニングを行った。結果、2つのキク品種をスクリーニングすることができた。これらの品種を用いて形質転換を行った。CSVdの一部の配列(病原性部位を含む120bp)をpBI121に組み込み、キク‘I-24'にアグロバクテリウムを用いて形質転換した。PCRによって形質転換を確認した後、ドットブロットハイブリダイゼーションでRNAの発現量を確認したところ、2個体でわずかに発現が見られたものの、ほとんどの個体でCSVdの部分配列の転写が見られなかった。これは35Sプロモーターがキクでは働かないという以前の報告と同じ結果である。そこで、Pmasプロモーター(農林水産省、市川氏より)を用いることとした。RNAi誘導ベクター、CSVdの部分配列のセンス、およびアンチセンスベクターを作出し、現在キクに導入している。
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