| 研究分担者 |
赤浦 和之 島根県立大学, 短期大学部, 准教授 (80144343)
中川 強 島根大学, 総合科学研究支援センター, 教授 (30202211)
板井 章浩 鳥取大学, 農学部, 准教授 (10252876)
中務 明 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (40304258)
伴 琢也 島根大学, 生物資源科学部, 講師 (20325046)
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| 研究概要 |
果実の樹上における成熟・軟化と収穫後の追熟・軟化について,生理学的,組織学的,分子生物学的な研究を行うことで,貯蔵性の増大をはかるための基礎知見を得ることを目的として研究を行った.
1. 樹上軟化したカキの成熟果由来のcDNAライブラリーを構築し,5879個のEST情報を取得した.カキ果実の軟化に関連する多くの遺伝子情報を得ることに成功した.
2. 【カキ】カキ'西条'果実の樹上での着色に関して,着色前に一過性の内部エチレンの生成が認められるものの,エチレン作用阻害剤(1-MCP)処理によっても,着色が進行することより,内部エチレンは関与していないことが示唆された.【ブルーベリー】ブルーベリー果実に関して,同一成熟ステージの場合,果肉硬度は果実の収穫期間を通じてほぼ一定であることを明らかにした.これに対し,果肉中の細胞壁成分,キレート可溶性ペクチン,ヘミセルロース含量は収穫時期により異なることを明らかにした.
3. カキcDNAライブラリーよりGlycosidase family3に属するarabinofuranosidase/xylosidase遺伝子DkXYL/ARF1の全長クローニングを試みた.2クローン得られ,塩基配列を解析したところ,3'を欠損しているクローンであることが判明した.発現解析においても,脱渋処理に伴う発現パターンは,脱渋後の急速な軟化に伴って上昇し,カキ果実の軟化に深く関与する可能性が示唆された.
4. 前年度にMRI画像で確認された維管束周囲におけるカキ果肉組織の浸潤について,光学顕微鏡観察の結果,浸潤のみられる細胞とみられない細胞においては形態的な差異は認められなかった.一方,軟化した果肉組織では,細胞間にゆるみが生じていることが観察され,顕微鏡画像から組織の軟化が確認できることが明らかになった.
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