研究概要 |
1.硝酸低減化葉菜類の生産:窒素源としてNO_3-Nの一部をUrea-Nに切り替えて栽培し、コマツナの生育速度を落とすことなく葉部NO_3-N含量を対照区の場合に比べ、20 30%低下させた。その後の4日間の無窒素処理で、生育はやや低下したものの外観を損なうことなくNO_3-N含量を400mg/kg新鮮重以下に激減させることに成功した。 2.味質改善野菜の開発:ステビア甘味成分は、味質の良いRebaudioside-A(Reb-A)と独特のえぐみが残るStevioside(ST)の2成分よりなっている。今年度は、Reb-Aを多量に含むステビア甘味料を実験に使用し、味質のさらなる改善を検討した。さらに、甘味の付加と同時にアスコルビン酸(AsA)を導入することで、高機能性を付加した味質改善野菜の開発も検討した。 a)ステビア甘味成分の導入:処理時間の経過に伴い、葉菜類(フリルアイス,リーフレタス,ホウレンソウ)のST,Reb-A含量はともに増加した。官能評価では、処理時間の経過と共に甘味の評価が高くなり、評価値が2.0 2.9の時、食べ易さの評価が最も高かった。それ以上の甘味度の増加では、食べ易さの評価は下がる傾向にあった。甘みの評価が対照区より有意に高くなるためにはSTあるいはReb-Aを少なくとも5.0mg/100gFW以上導入することが必要であると分かった。 b)ステビア甘味成分とAsAの同時導入:処理によりAsA含量は対照区の5.8倍となった。また、AsA処理は、Reb-Aの吸収を促進させた。Reb-Aの処理濃度が高くなるに伴い、Reb-A含量は増加し、Reb-A0.5%処理区は、Reb-A0.2%処理区よりも約15倍も高かった。官能評価において、甘みの評価が高くなるにつれ、苦みの評価が低くなる傾向にあったが、食べやすさの評価には変化がなかった。
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