研究課題/領域番号 |
17380027
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
倉本 宣 明治大学, 農学部, 教授 (60287886)
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研究分担者 |
輿水 肇 明治大学, 農学部, 教授 (60012019)
加納 明彦 明治大学, 農学部, 助教授 (20257132)
菅野 博貢 明治大学, 農学部, 助教授 (40328969)
多田 聡 明治大学, 法学部, 助教授 (10276008)
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キーワード | 保全生物学 / 保全教育 / 環境教育 / プログラム / 大学生 / 里山 / 文化的景観 / 放棄水田 |
研究概要 |
明治大学農学部では農場をキャンパス近郊の川崎市麻生区黒川に移転することになり、黒川の地域社会の一員として調査を行うことが可能になった。 保全教育とは保全生物学の教育分野であり、生物多様性と健全な生態系についての教育である。里山では生態系は人為と自然の力のバランスの上に成立しているので、生物多様性の保全や健全な生態系の維持における自らの役割を意識することになるから、保全教育のフィールドとして優れている。 この研究では、保全教育のプログラムの開発の背景となる里山の理解と、プログラムの開発を行っている。 里山の理解のための研究は、文化的景観としての里山の理解のため、聞き取り調査を行った。地形と土地利用の関係の解明のため、GISを用いて解析を行った。里山の管理作業のカロリー消費量を検討するため、実測した。里山の景観の成り立ちを検討するため、黒川で景観の分析を行った。陸生の生きものとしてタマノカンアオイ、水生の生きものとしてホトケドジョウの生態を解明した。農場に対するアンケート調査を行った。 プログラムの開発としては、放棄水田に人力によってミニビオトープを造成し、作業に参加した学生の反応を検討した。学生の反応はおおむねポジティブであった。里山の景観をスケッチし、地形と土地利用の関係を検討する実習は、造成地との対比が解説なしではむずかしかったが、好評であった。このほかにプログラム開発の基礎として、国内外の事例を収集した。 今後も、里山の科学的理解と、プログラムの開発を行っていく予定である。
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