研究課題/領域番号 |
17380028
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
阿久津 克己 茨城大学, 農学部, 教授 (10151002)
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研究分担者 |
中島 雅己 茨城大学, 農学部, 准教授 (70301075)
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キーワード | Botrvtis cinerea / 弱病原性株 / 活性酸素種 / 過酸化水素 / カタラーゼ / Gタンパク質 / bclg_10054 / bcg3 |
研究概要 |
本研究では灰色かび病菌Botrytis cinereaの病原性株と弱病原性株を用いて、植物の初期抵抗反応を担う活性酸素種の一種である過酸化水素(H_2O_2)に対する感受性をin vitro下で試験した。その結果、弱病原性株はH_2O_2に対する感受性が高く、5mM以上のH_2O_2に対する感受性の増大が認められた。本菌のタンパク質抽出物を用いてH_2O_2代謝能力を調査した結果、病原性株の抽出物は弱病原性株よりも速やかにH_2O_2を代謝した。これらの結果から、H_2O_2を代謝・無毒化する能力の違いが今回供試した2菌株の病原性の違いを引き起こす要因の一つであると考えられた。植物生体内でH_2O_2を代謝する主な酵素であるカタラーゼについて、トマト葉への感染時における病原性株と弱病原性株のカタラーゼ遺伝子(CatAとCatB)の発現を経時的に調査した結果、2菌株間でカタラーゼ発現量に有意な差は見られなかった。このことから、弱病原性株のH_2O_2代謝能力の低下はグルタチオンペルオキシダーゼなどのカタラーゼ以外の酵素、またはグルタチオンのような抗酸化剤に起因する可能性が示唆された。 B. cinereaの病原性に関与するヘテロ3量体Gタンパク質αサブユニットBcg3と相互作用するGβタンパク質Bclg_10054の機能を解析した。bclg_10054は静置培養では発現しないが、振とう培養24時間で発現するのに対し、bcg3は両培養で発現しなかった。また、タマネギりん片表皮に接種して、両遺伝子の発現を調べたところ、bclg_10054は接種8時間以降から一定レベルで発現したが、bcg3は侵入糸を形成する接種20時間以降に僅かに発現がみられた。Bclg_10054と相互作用するαサブユニットはBcg3以外に存在することが示唆された。
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