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2008 年度 実績報告書

ステロイドホルモンによる転写因子の制御とその変態に及ぼす役割

研究課題

研究課題/領域番号 17380033
研究機関弘前大学

研究代表者

比留間 潔  弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (70374816)

研究分担者 冨田 秀一郎  農業生物資源研究所, 昆虫ゲノム研究・情報解析ユニット, 主任研究員 (30360457)
キーワードホルモンレセプター / 幼若ホルモン / エクダイソン / カイコ / 器官培養 / 転写因子 / 遺伝子 / コミットメント
研究概要

カイコの転写因子であるBHR4は、エクダイソンの血中濃度の上昇に反応して発現し、脱皮前に発現が停止することが知られている。カイコの蛹化脱皮前の時期にBRR4の発現を強制的に持続させると、脱皮行動を起こさない個体が観察されることを昨年度明にした。しかしこれらの個体もクチクラのアポリシスまでは正常に行っていた。このことから、BHR4の発現停止とエクダイソン濃度の低下には、何らかの関連性があることが示唆されるが、エクダイソンのアゴニストを蛹化前のカイコに注射したところ、BER4の発現停止に影響は見られなかった。ゆえにBRR4の発現停止がエクダイソンの血中濃度低下に影響している可能性が考えられた。BHR4過剰発現個体ではエクダイソンの血中濃度が低下しないことを見出し、正常に脱皮するにはBHR4の発現が止まることが必要であることが明らかとなった。
幼虫特異的組織である腹脚のカギ爪(crochet)は、蛹化に向かい退化する。すなわち、crochetの細胞死が起こる。この過程で、crochet細胞の形成能力の低下は、4齢後期から5齢4日目にかけて2段階で起こり、その後、5齢3-4日目にcrochet細胞の細胞死が起こることをすでに見出している。1段階目の能力の低下は上昇するエクダイソンによって引き起こされ、2段階目は栄養の摂取によっていることを突き止めた。その時annexin IXが上昇し、その後転写因子であるE74Bの上昇低下が見られ、これら因子の共同作用により、crochet細胞の形成能力の低下から細胞死に至ることが示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] The molecular mechanisms of cuticular melanization : The ecdysone cascade leading to dopa decarboxylase expression in Manduca sexta2009

    • 著者名/発表者名
      Hiruma, K., Riddiford, L. M.
    • 雑誌名

      Insect Biochemistry and Molecular Biology 39

      ページ: 245-253

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 昆虫皮膚のメラニン化の分子機構2008

    • 著者名/発表者名
      比留間潔
    • 雑誌名

      化学と生物 46

      ページ: 571-578

  • [学会発表] 実験形態学に始まり再び実験形態学へ2009

    • 著者名/発表者名
      比留間潔
    • 学会等名
      第53回日本応用動物昆虫学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      20090328-30
  • [学会発表] カイコcrochet細胞における形成能力のホルモン制御および細胞死のメカニズム2009

    • 著者名/発表者名
      秋元真理・金児 雄・比留間 潔
    • 学会等名
      第53回日本応用動物昆虫学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      20090328-30
  • [学会発表] コミットメントはall-or-noneで起こるか-Verson's glandを用いた単一細胞のコミットメント機構の解析2009

    • 著者名/発表者名
      村松大輔・比留間潔
    • 学会等名
      第53回日本応用動物昆虫学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      20090328-30
  • [学会発表] カイコの転写因子BHR4発現と血中エクダイソン濃度との関連2009

    • 著者名/発表者名
      横山拓彦・比留間潔・冨田秀一郎
    • 学会等名
      第53回日本応用動物昆虫学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      20090328-30
  • [学会発表] Hormonal control of pupal commitment of the epidermis of the silkworm, Bombyx mori : comparison with that of Manduca sexta2008

    • 著者名/発表者名
      Hiruma,K. and Muramatsu, D.
    • 学会等名
      Ecdysone Workshop 2008
    • 発表場所
      University of Ulm(ドイツ)
    • 年月日
      20080720-24

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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