研究課題/領域番号 |
17380034
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用昆虫学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
天野 洋 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 教授 (00143264)
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研究分担者 |
高藤 晃雄 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50026598)
岸本 英成 (独)農業食品産業技術総合研究機構果樹研究所, 果樹害虫研究チーム, 主任研究員 (50355393)
望月 雅俊 (独)農業食品産業技術総合研究機構果樹研究所, 果樹害虫研究チーム, 上席研究員 (90354117)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 昆虫 / 応用動物 / 天敵 / 害虫管理 / 持続型農業 |
研究概要 |
21世紀の環境保全型農業を支える基盤技術の1つである、天敵を利用した害虫防除体系を、世界的害虫であるハダニ類やアザミウマ類の有力夫敵であるカブリダニ類をターゲットにして検証した。近年の外来性生物の持つ生態的脅威を考慮し、調査・利用する天敵には在来性の種の範囲とした。 農生態系としては永年性作物である果樹を対象として、リンゴ(豊島担当)、ナシ(天野・高藤担当)、カキ(高藤・望月担当)、ブドウ(望月担当)、カンキツ(岸本担当)において土着天敵類の発生調査と、周辺生態系からの積極的導入(ホオノキ生息性のカブリダニのリンゴ園への導入の試みなど)を試みた。従来、わが国のカブリダニ相の中で長らくハダニ捕食種として優占してきたケナガカブリダニの地位が、ミヤコカブリダニに置き換わる事態が関東から西南日本に進んでいる。本調査研究により、後種の西進は九州全土まで達している事が確認された。ただ、九州の主たる果樹であるカンキツ上ではミヤコカブリダニの天敵能力はまだ十分に発揮されてない事も示された。 新種の発見も含めて、カブリダニ相の新事実と天敵としての有効性に関してはそれぞれの発表論文に示されており、また、国内・国外の関連学会及び研究会等で適宜速やかに成果は発表された。今後はこれらの基盤技術・得られた新知識を現場で応用できるようにスムーズな技術移転を考える事を進めたい。単に天敵資材として市販等に頼るだけでなく、土着天敵の利用は一般に環境保全・環境整備の問題でもある。わが国の安全・安心な食料自給へ向けて官学一体となったシステム作を進める基盤技術・知識が本調査により与えられた。
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